ふるさとへの便り

カンボジア

学校の整備サポート
写真:老朽化し荒廃した木造の小学校=カンボジア

老朽化し荒廃した木造の小学校=カンボジア

 絶滅危惧種の川イルカが生息するメコン川沿いの町クラチェ。ここで暮らしてはや9カ月がたちます。首都プノンペンから約350キロの距離に位置する小さな田舎町です。町の人々はみんな優しく、とても穏やかです。私の家から職場までは1キロほどの一本道です。毎日自転車で通っていると、みんなが笑顔で声を掛けてくれます。「さき!おはよう!」「さき!今から仕事?」「さき!ご飯食べた?」。とても幸せな気持ちになります。

 さて、私の仕事は主に教育行政・学校運営に対する支援、アドバイスを行うことです。最近の活動としては、校舎が老朽化した学校にNGO団体などを案内し、支援したいと考えている側と支援を必要としている側のマッチングをしています。

 支援を待つ校長先生やその村の村長は、「さっきのNGO団体は支援をしてくれるの?」「いつ学校を建て替えてくれるの?」と遠慮がちに私に聞いてきます。老朽化した特に木造の校舎はポル・ポト政権後に突貫工事で建てられたものが多く、築30年ほどたった今、多くの校舎が崩壊の危機にあり、早急な建て替えが必要です。ひどいものは授業中に柱の一部が崩れ、先生が子どもたちを急いで避難させるほど深刻です。

 国からの予算だけでは、学校建設に回すほどの大規模な予算はありません。NGO団体や先進国の人々からの支援が必要なのです。本当に必要なところに、本当に必要なだけの支援を−。現地語を話し、現地のごはんを食べ、現地に住み、共に暮らすからこそ、本当に必要な支援が見えてくる。これが私たち青年海外協力隊の大きな役割の一つだと思います。

 校長先生や村長さんの穏やかな表情に隠された内に秘めた声を聞き、少しでも多くの学校が整備された環境になり、この国の未来を担う子どもたちが、少しでも多くの夢を持てるようなお手伝いをしたいです。

【谷口沙樹さん】
写真:谷口沙樹さんさん
 たにぐち・さき ホテルの営業部で勤務した後、2014年1月から青年海外協力隊としてカンボジアへ派遣。クラチェ州教育局で教育行政・学校運営のアドバイザーとして活動。大垣市出身。26歳。

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