ふるさとへの便り

エクアドル

水泳界発展へ種まく
写真:ワールドカップ東京大会でのエクアドル選手団=東京辰巳国際水泳場

ワールドカップ東京大会でのエクアドル選手団=東京辰巳国際水泳場

 昨年10月、日本で開催された国際水泳連盟主催のワールドカップ東京大会のエクアドル選手団代表コーチとして、私は一時帰国しました。この大会はエクアドル水泳界では初参加であり、JICAをはじめ多くの日本の水泳関係者に支えられ、エクアドル人選手2人、コーチ1人をこの日本に連れて来ることができました。

 日本到着後、14時間の時差の解消と体調調整のために、JICAの水泳分野と関わりの深い筑波大で事前調整合宿を1週間行いました。筑波大では、最先端の科学的なトレーニングや日本選手の規律ある行動を学んだり、実験用回流水槽で泳法撮影を行い、日本のトップ選手との動きの比較を科学的に分析したりすることもできました。

 その後、試合会場である東京辰巳国際水泳場に移動しました。大会にはオリンピックの金メダリストや世界記録保持者が多数参加しているため、エクアドル選手団にとって大変緊張している空気の中でのレースとなりました。50メートル平泳ぎでアレックスが29秒74、出場39人中36位、50メートルバタフライでタイロンが25秒49、出場52人中45位。彼らなりによく頑張った記録です。

 しかし、何より成長を見せたのはエクアドル人コーチのビセンテです。筑波大での事前合宿では、科学的トレーニングの知識を吸収しようと多くの質問をし、大会会場でもトップ選手のレースのみならずウォーミングアップから見てしっかり学んでいました。その姿を見て私も同じコーチ仲間として胸が熱くなりました。

 今後大切なことは、この遠征で得た経験をエクアドル全体に広げることです。エクアドル人コーチの資質向上のためにさまざまな研修を行い、より多くのコーチが科学的な指導を行えるようにしたいと思います。私たちがまいた種をエクアドルのコーチが育て、そして選手が花を開かせる、そんな仕事ができていることに感謝し、私を信頼してくれているエクアドル水泳界のためにも猛烈に仕事し、帰国の3月まで足跡をしっかり残したいと思います。

【糸井 紀さん】
写真:糸井 紀さんさん
 いとい・おさむ 岐阜県立高校、岐阜市ぎふ清流国体事務局、岐阜市教育委員会勤務を経て、2013年7月から現職教員派遣としてエクアドルに派遣。職種は水泳。岐阜市出身。40歳。

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