ふるさとへの便り

ブラジル

力くれた児童の言葉
写真:被災地にクリスマスカードをおくるプロジェクトに参加するため、東日本大震災について話し、カードの書き方を説明している場面=ブラジル

被災地にクリスマスカードをおくるプロジェクトに参加するため、東日本大震災について話し、カードの書き方を説明している場面=ブラジル

 ブラジルに来て1年半。真夏のクリスマス・年越しも2回目になった。たくさん日に焼けたけれど、ここでは「いい色になったね!!」と褒めてもらえる。

 私の配属先はブラジルの私立の学校。幼稚園から中学校で、外国語として日本語が必修となっており、私はこの日本語科で日本語の授業の補助をしている。子どもたちと一緒にダンスをしたり、現地の先生たちと教材・教具を作ったり、授業で使える活動の提案をしたり。

 しかし、この1年半、活動がうまくいかずにもんもんとすることも多かった。言葉の壁や文化・考え方の違いに悩み、自分のふがいなさを実感する日々。そんなモヤモヤを抱えていた頃、こんなことがあった。1年生から9年生の日本語の授業を1時間ずつもらって、私が授業をさせてもらっていた。未熟なポルトガル語で、もちろん間違いも多いはず。けれど、どのクラスの子どもたちもじっと耳を傾けて聞いてくれた。

 そして、2年生の授業の後、いつも元気いっぱいの児童が真剣な顔で、「エリコ、すてきな授業をありがとう」と言いに来てくれたのである。この一言で、今まで私の中に渦巻いていたモヤモヤしたものが一瞬にして消えた。「たくさんの人たちに支えられて、今自分はここにいる。自分ができることを精いっぱいやろう」。力が湧いてきた出来事だった。

 任期は残すところ3カ月。「ブラジルのこと気に入った?」「エリコ、本当に帰るの?」「また来るでしょ?」。最近、こんな会話が多くなり、別れが近づいていることを実感する。日本とは地球の反対側に位置する遠い国。でも、いろいろなところで日本を感じる国。遠いけれど、遠さを感じさせない。私は、明るくて温かい人たちがいるこの国が大好きだ。残された期間に感謝の気持ちを込めてこう伝えたい。「ブラジルが大好きだよ。また遊びに来るよ!」

【福田恵里子さん】
写真:福田恵里子さんさん
 ふくた・えりこ 2013年7月から日系社会青年ボランティア(職種・小学校教諭)としてブラジルに派遣。教師。美濃加茂市出身。30歳。

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