ふるさとへの便り

キルギス

保護施設で和の交流
写真:日本から寄付を受けたけん玉を体験する子どもら=キルギス

日本から寄付を受けたけん玉を体験する子どもら=キルギス

 キルギスの首都ビシュケクの住宅街にあるカラフルな家々。もともと北欧のNGO団体が作った施設で、現在は市が運営する児童保護施設となっている。「今日は何を作るの?」と、子どもたちが寄ってくる。12月のほとんどは、久寿玉を作ってモミの木に飾り付けをしたり、ペットボトルで小さなクリスマスツリーを作ったり、唱歌「お正月」を歌ったり、新年を迎えるための準備で大忙しだった。

 当施設は、4歳から17歳までの男女約70人が共同生活している。子どもたちが保護される理由は、貧困、虐待、両親のアルコール・薬物依存、精神障害などさまざまである。「わたし、明日家に帰るの!」とうれしそうに話す子どもの姿は、毎日のように見かける。実際は子どもたち自身の希望であり、現実に帰るわけではない。また、いったん帰宅しても数カ月後に施設に戻ってくる子どももいるし、他の施設へ移動する子どももいる。家庭環境は想像以上に複雑のようだ。

 昨年10月、施設内の音楽会で「翼をください」を歌った。わたしが少し口ずさむ程度だったのを子どもたちは耳から覚え、「音楽会で歌いたい」と提案した。日本語を知らない子どもたちだから、覚えるのは安易なことではなかったはずだった。しかし、音楽会の後も「日本の歌をもっと歌いたい」と意欲的だ。わたしは、子どもたちの「やりたい」ことに耳を傾け、活動を行うようにしている。絵を描いたり、縄跳びを飛んだり、歌ったり、踊ったり、折り紙をしたり、日本語を練習したり、宿題を手伝ったりと活動の幅は広い。

 残りの任期はちょうど1年。やっとキルギス語にも慣れてきたものの、子どもたちの言うことが全部理解できるわけではないし、きめ細かく教育ができるわけでもない。だからこそ、全て一人でやろうとせず、職場の先生たちとコミュニケーションを取ることを大切にしている。この2年間で大きな成果が得られるわけではないけれど、わたしが行った活動を先生や子どもたちが他の人へつなげていけるように、残りの1年、有意義な活動を続けていきたい。

【清水玲那さん】
写真:清水玲那さんさん
 しみず・れいな 製薬企業を退職後、2014年1月から青年海外協力隊としてキルギス共和国、児童保護施設で勤務。更生保護ボランティア「神戸北BBS会」元会長。各務原市出身。29歳。

「ふるさとへの便り」一覧