ふるさとへの便り

タンザニア

「手に職」 熱心に勉強
写真:小テストでデザイン画を書く生徒=タンザニア

小テストでデザイン画を書く生徒=タンザニア

 タンザニアの中部に位置し、舗装道路から外れ5キロほどの砂利道を進んだところに私の住むダカワ村があります。職業訓練学校の服飾コースに派遣され、はや1年がたちました。商店も無く、毎日午後から断水し、停電も多く、インターネット環境も決して良くありませんが、すてきな自然、満点の星空、そして生徒の笑顔が村にはあふれています。

 生徒は毎日約1キロ離れた本校から、別館の服飾教室までトラックの荷台に乗って登校してきます。教室の掃除が終わると授業スタート。縫うのが大好きな生徒は残布を見つけては帽子やかばんを作って見せてくれます。毎週金曜日には15分の小テストを実施し、普段絵を描く習慣がない生徒に少しずつデザインを教えています。毎週15分だけですが、学校の評価にもつながらないのに生徒はしっかり勉強しノートを見返し、テストを受けてくれます。点数の低い生徒には再テスト。自分の点数に納得がいかないと自ら「これ、もう1回やりたい」と言ってくれます。

 1年生は足踏みミシン、2年生は電動ミシンを使用します。生徒は私よりも足踏みミシンを使いこなすので、足踏みミシンでサンプルを作って見せるのは少し緊張します。縫製の説明を求められ、つたないスワヒリ語で説明していると、1人また1人と理解してくれた子が、私に代わって他の生徒たちに説明してくれるので、授業の後半には「先生」でいっぱいになります。私が「ありがとう、先生!」と生徒に声をかけると照れくさそうにほほ笑んでくれます。

 女性はまだ家庭に入るという感覚の強いタンザニアでは、卒業生が皆、服飾関係の会社に就職したり、服飾で生計を立てたりできるわけではありません。街で見掛ける仕立屋のほとんどが年配の男性です。手に職を持ちたいと願う生徒たちに、街の職人に負けないデザインや洋服以外の小物作りの指導を通して、洋服や小物作りを楽しいと思う心、いいものかわいいものを作りたいという向上心や好奇心を持ってもらいたい。そのためにこれからも少しずつ積み重ねていく。そんな毎日を送りたいと思っています。

【後藤洋美さん】
写真:後藤洋美さんさん
 ごとう・ひろみ 大阪の服飾専門学校卒業後、アパレルメーカーで5年半勤務の後、2014年1月から青年海外協力隊としてタンザニアに派遣。服飾隊員として職業訓練学校の服飾コースで指導。飛騨市出身。27歳。

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