ふるさとへの便り

パプアニューギニア

囚人を稲作指導者に
写真:刑務所内の農地での収穫実習風景=パプアニューギニア

刑務所内の農地での収穫実習風景=パプアニューギニア

 朝ご飯はお皿に山盛りのライス、トッピングはツナの缶詰、飲み物はコーヒー。日本で言う茶わん3杯くらいだろうか。ご飯が大好きなパプアニューギニアの人たち。しかし、米はオーストラリア、タイなどからの輸入に頼っているのが現状である。

 米が食生活の中心になりつつあるが、米の作り方が分からない。自分の国で作られた米を買って食べたい。現地の農家は常にこう話す。この国の栽培方法の大部分は陸稲であり、日本人がイメージする水田栽培ではない。自分も陸稲栽培は初めての経験で、現地の人たちと一緒になって一から稲作栽培を行っている。

 最近活動で力を入れているのが、刑務所の囚人を対象とした稲作実習だ。パプアニューギニアの刑務所の中はいつも陽気な人たちで活気がある。自分が活動していると、刑務所内ということを忘れてしまうくらいである。刑期が終わったら彼らは村に帰る。しかし、すぐに仕事に就くことは難しく、コミュニティーの中でひっそりと生活していかなければいけない人も多い。そういう背景から、彼らが村に戻った時にすぐ農業が始められるようにとの思いで活動している。

 彼らは働き者で熱心に稲作の講習に参加し、技術をすぐに刑務所にある農地で実践してくれる。僕も現地の農法を教えてもらうことが多く、彼らが農業の先生になることも。彼らの中で何人かが村の稲作指導者になるのではないかという期待を込めて普及活動をしている。

 活動で一番楽しいのは、現地の人たちと一緒に農作業をすること、同じご飯を食べること。彼らと話をしながら作業をしていると、村の出来事や将来の夢などを熱く語ってくれる。その中に稲作で村人を幸せにすると夢を語ってくれる人もいる。彼らの思いに少しでも答えてあげたい、一緒に協力したい、そんなことを思いながら残り1年、この国の人たちと一緒に汗をかきながら稲作普及活動をしていければと思っています。

【坂野秀さん】
写真:坂野秀さんさん
 ばんの・ひで フィリピンでの語学学校勤務を経て、2014年3月から青年海外協力隊員としてパプアニューギニアに派遣。職種はコミュニティー開発で、現地の稲作普及活動に従事。各務原市出身。28歳。

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