ふるさとへの便り

ブラジル

野球を通し心の交流
写真:子どもたちへの野球指導の様子=ブラジル

子どもたちへの野球指導の様子=ブラジル

 私は日系社会青年ボランティアで、ブラジルのマットグロッソ州クイアバという町に派遣されています。活動内容は野球の普及に貢献することです。

 クイアバはブラジルの中心部に位置し、ブラジルの中で最も暑い街です。40度以上を観測する日も珍しくありません。

 私が最初にぶち当たったのは言葉の壁です。思っていることを伝えられないということがどれほど歯がゆく、悔しいかを感じました。指導の際も身ぶり手ぶりでボディーランゲージを使って何とか伝えようと努力しました。時間は掛かりますが理解し合ったとき、とてもうれしくなります。大切なのは伝えようとする心ではないかと感じています。

 次なる壁は文化の違いでした。日本の当たり前はブラジルでは通用しませんでした。練習時間になっても誰も来ない日もありました。ボールを蹴ってしまう子もいました。まずブラジルの当たり前を理解すること、それが野球をする上で間違っていることであれば、指導するようにしています。

 一方で、私自身もさまざまな文化を教えてもらい、人としての幅が広がっているように感じます。私はこの2年間で野球技術の向上だけでなく、選手たちが人として成長できる手助けをしたいと考えています。例えば、相手の目を見てあいさつをする、時間を守る、相手を思いやった行動をするなど、たくさんのことを野球から学びました。それを伝えることで子どもたちの心の成長につながると信じています。

 3月1日から25日まで、JICA短期グループ派遣ボランティアの日本体育大学の野球部員と共に、ブラジルの各地を巡って野球指導を行いました。選手団長の黒木豪さんは私にJICAを教えてくださった方です。この方との出会いで私はブラジルに行くことを決意しました。今回日体大の野球部が私と同じように野球を通して海外で活動することは、彼らにとってもブラジルにとっても異文化を知る意味で素晴らしい経験になったと思います。

 この活動に携わることができ、ブラジルの野球に貢献していきたいと、さらに強く思いました。あと1年4カ月、心のつながりを大切に活動したいです。

【垣下真吾さん】
写真:垣下真吾さんさん
 かきした・しんご 日本体育大を卒業後、2014年7月から日系社会青年ボランティアとしてブラジルで野球を指導。高山市出身。23歳。

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