ふるさとへの便り

オランダ

「水との生活」先進的
写真:アムステルダムの街並み=オランダ

アムステルダムの街並み=オランダ

 英国に来て早いもので1年が過ぎました。イースター休暇も明け、ロンドン市内の公園では花が植え替えられ、待ちに待った春の訪れを感じます。

 今回はオランダについて少し紹介したいと思います。私が勤務する自治体国際化協会(クレア)ロンドン事務所では、英国以外にアイルランド、ドイツ、オーストリア、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンおよび、フィンランドの地方自治についても調査したり、実際に現地を訪れたりしています。

 2月に仕事でオランダを訪れる機会がありました。オランダは、英語で「ネザーランド」といい「低い土地」という意味を持っています。国土の4分の1は海抜ゼロメートル以下の地域です。そのため、欧州の中でも治水にかかる経験知識は高く、日本においても、明治時代に行われた木曽三川分流工事は、オランダの土木技師によって進められたこともよく知られています。

 実際に訪れてみると、私が想像していた低い土地の暮らしとは違って、街を流れる水路の水位が驚くほど高く、少しの雨でも浸水するのではないかと心配になるほどでした。オランダの人々は常にそういった中で暮らしているため、環境変化による水位上昇には敏感です。そのためオランダには、より長く安心してこの土地に住み続けることができるよう環境に配慮したまちづくりを行っている自治体があります。

 具体的には、温暖化・水位上昇につながる二酸化炭素を減らすため、工場の排熱を建物の暖房に利用したり、平らな土地を生かし自転車による移動や電気自動車の普及を支援するといった工夫を欧州に先駆けて行っています。これは行政と住民だけではなく、民間企業、専門家や他欧州地域とより良い関係を築きながら進められています。

 今回、私は初めてオランダを訪れましたが、車窓から見える景色はなぜか懐かしく感じられました。それは街中や田園地帯の水路から感じられる水との暮らしが、故郷岐阜に少し似ていたからかもしれません。治水事業だけでなく、広く将来を見通した環境への取り組みは、今後の岐阜県にとっても参考になるように思われました。

【山田佳代さん】
写真:山田佳代さんさん
 やまだ・かよ 2014年4月、岐阜県庁から一般財団法人自治体国際化協会ロンドン事務所に派遣。所長補佐。担当業務は、日系イベントへの出展など経済交流関係、職員の研修など。大垣市出身。

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