ふるさとへの便り

ベトナム

真の融和目指し成長
写真:新しく設置されたホーチミン像=ベトナム

新しく設置されたホーチミン像=ベトナム

 ベトナム戦争終結から40年目の今年4月、ホーチミン市で南北ベトナム統一40周年を記念した大規模な式典と軍事パレードが行われた。5月には故ホーチミン初代国家首席の生誕125周年を記念して、市内中心部のグエンフエ通りでホーチミン像の除幕式が行われた。今年、ベトナムはイベントが続いている。

 ベトナム戦争は第1次インドシナ戦争後に分裂した南北ベトナムの戦い。資本主義陣営と共産主義陣営の代理戦争と言われている。旧ソ連などの支援を受けた北ベトナムが、南ベトナムの首都サイゴン(現ホーチミン市)を攻め落として勝利し、南ベトナムを支援した米国は撤退することとなった。

 戦後、数十万人の市民が共産支配から逃れようと「ボートピープル難民」となって南ベトナムから国外に脱出した。こうした人々は「越僑」と呼ばれ、現在、約400万人いると言われている。越僑によるベトナムへの送金額と投資額の合計は年間200億米ドルを超え、FDI(企業の外国直接投資)やODA(政府開発援助)とともにベトナムの収入の3本柱となっている。

 私がベトナムに赴任してから早いもので4年が経過するが、最近のベトナム経済の発展には目を見張る。イオン、ファミリーマート、ミニストップ、マクドナルド、スターバックスなど、数え切れないほどの外資系企業がこの4年でベトナムに進出した。道路や電力などのインフラ整備、法律や行政手続きなど、ビジネス環境も徐々に改善が進んでいる。

 赴任生活の中で「ベトナム戦争」や「社会主義国家」を意識することはほとんど無い。だが、都市部と農村部の地域間格差は縮まらず、越僑の在外投票も認められないなど、ベトナム国内外の真の融和はまだまだというのが実情だ。人口9300万人の6割以上がベトナム戦争後の生まれで、平均年齢も28歳と若くて活力のあるベトナム。過去の苦難の歴史を少しずつ乗り越え、成長を続けるこの国をこれからも見守っていこうと思う。

【伊藤健太郎さん】
写真:伊藤健太郎さんさん
 伊藤健太郎(いとう・けんたろう) 1997年大垣共立銀行入行、愛知法人営業部調査役、半田支店次長、人事部詰研修(みずほコーポレート銀行ホーチミン支店)を経て、2012年3月から大垣共立銀行ホーチミン駐在員事務所に勤務。愛知県出身。

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