ふるさとへの便り

カンボジア

「体験伴う教育」手助け
写真:野外実習の様子=カンボジア

野外実習の様子=カンボジア

 週に1度は雨が降るようになり、少しずつ乾期から雨期へと変わり始めているカンボジアから「チョムリアップスゥオ(はじめまして)」。

 青年海外協力隊員として赴任し、早いもので11カ月が過ぎようとしています。赴任した当初は雨期だったため、ゲリラ豪雨のようなスコールが毎日降ること、その雨の中でバイクを洗ったり、体を洗ったり、外に出てきて遊ぶ子どもたちの姿に驚かされましたが、自分がカンボジアにいることを実感した光景でもありました。また、乾期には4カ月近く、全く雨が降りません。初めて「雨が恋しい」という気持ちを体験し、雨が降るとうれしくて外に出てくるカンボジアの人々の気持ちがよく分かりました。

 現在、私は首都プノンペンから約80キロ南に位置するタケオ州にある中学校教員養成校に勤務しています。卒業後は中学校の教員になる生徒たちを育てている学校です。そこで主に生物と地学の教員に対して実験や実習の技術指導を行っています。

 カンボジアで使用されている教科書は、日本と比べて非常に難しい内容が多いのですが、実際に教えている教員の知識力や理解度が釣り合っていません。

 その原因として、例えば岩石について教える時、教員がその岩石を見たことがないなど実体験の不足が挙げられます。また、実験器具や教具があっても使い方が分からない、分からないことがあった時に自分で調べる手段がない(現地語で書かれた参考文献が極端に少ない)ことも原因です。

 したがって、教科書の言葉を教え、生徒は言葉を覚えるだけの授業になっています。そこで、実物を見ることや実験を通して事実を知ること、具体物を使って説明するなど、言葉だけではなく「実体験」を伴った知識を身に付けさせることに重点を置き活動しています。先日は、生徒を連れて野外実習に出かけ、本物の岩石を見せて学習を行いました。

 今後も、カンボジアの教育に貢献できるよう奮闘していきたいです。

【中上和奈さん】
写真:中上和奈さんさん
 中上 和奈(なかがみ・かずな) 公立中学校教員を退職後、2014年7月から青年海外協力隊としてカンボジアに派遣。タケオ州中学校養成で理科教育を指導。安八郡神戸町出身。40歳。

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