ふるさとへの便り

カンボジア

笑顔輝く子どもたち
写真:寄付された文房具をもらい、さっそく中身を開ける子どもたち=カンボジア

寄付された文房具をもらい、さっそく中身を開ける子どもたち=カンボジア

 東南アジア最貧国の一つカンボジアでの、とある授業時間。書く物がなく机に直接字を書く子ども、子どもが待つ教室に平然と遅れてくる先生、進級することができず1年生が異常に多い学校。老朽化した校舎を背に行われる青空教室−。こうした教育の現場をモニタリングするようになって1年半が経ちました。初めて目にする途上国の教育現場に、怒りを通り越してあぜんとする日々も懐かしく、今は同僚や地元のNGOと一緒に、限られた予算、時間、行動範囲の中で出来ることを地道に実行する毎日を送っています。

 先日も、少数民族の子どもたちが通う小学校に、古着や制服、文房具などを寄付してきました。途上国の中でも、首都や地方都市はモノや建物の類に関しては、恵まれているものの、そこから数十キロ離れたへき地は、まるで別世界です。汚れや破れのない服、真っ白な制服、真新しい文房具に、子どもたちの目はキラキラ。寄付品を手渡す前に、私が普段どんな思いでどんな活動をしていて、なぜ、あなたたちに手渡すのかを伝えました。初めて見る外国人に顔がこわばっていたものの、片言の私の言葉をしっかり理解してくれているようでした。

 今回の活動に対して、現地のカンボジアの人々も自主的に古着や寄付金を集めてくださいました。「必要とされているところに本当に行き届くのかが不安で支援してこなかった。あなたならきっと渡してくれると思って」。思いがけず本当にたくさんの寄付が集まり驚く私に、こう声を掛けてくださいました。

 就学率や退学率などの統計データを基に、問題のある学校を訪問し改善していくことが私のメーンの活動ですが、目に留まるのはやはりこうしたへき地の学校です。一つ一つの学校に多くの時間や予算をかけることはできない。けれども、訪れた学校を見捨てることもできません。目の前にある問題を一つ一つ解決していくことしかできませんが、この国の子どもたちの笑顔のために残り半年をささげていきたいと思います。

【谷口沙樹さん】
写真:谷口沙樹さんさん
 谷口沙樹(たにぐち・さき) 大学で国際社会学専攻の後、ホテルの営業部で勤務。2014年1月から青年海外協力隊としてカンボジアへ派遣。クラチェ州教育局で教育行政・学校運営のアドバイザーとして活動。大垣市出身。27歳。

「ふるさとへの便り」一覧