ふるさとへの便り

ジャマイカ

適正な水道管理支援
写真:公衆水道の位置情報をGIS機器で読み取り、記録する作業=ジャマイカ、セントエリザベス教区

公衆水道の位置情報をGIS機器で読み取り、記録する作業=ジャマイカ、セントエリザベス教区

 私は今、ジャマイカのセントエリザベス教区事務所で働いています。教区というのは日本でいう県で、教区事務所は県庁に当たります。私の仕事は現地の行政サービス一般を改善することですが、今回は、現在重点的に取り組んでいる上水関連のプロジェクトを紹介したいと思います。

 教区内の上水の事情は深刻です。地方のコミュニティーでは上水を雨水に頼っており、非常に不安定な状況に置かれています。水道管が敷設された地域においても、多くの人が自宅に水道をつないでおらず、地域の公衆水道を利用しています。

 また、その水道も常時水が出るとは限りません。公衆水道は教区事務所が管理しており、教区内には350本以上あることになっています。ただ、教区事務所はその位置を把握しておらず、実際はその多くが老朽化で取り外されており、現存の水道も漏水している場合がかなりあります。

 そこで私は各コミュニティーを訪問し、GIS機器を用いて公衆水道の位置情報などを収集するプロジェクトを立ち上げました。教区事務所は漏水分や撤去された水道に対しても使用料の支払いをしているため、このプロジェクトが終了すれば、今後の水道維持管理が容易になるだけでなく、大幅な水道使用料の削減につながることにもなります。

 教区は出身地である大垣市の6倍の面積があり、インフラが不十分な地方のコミュニティーを訪問することは、それだけで大変です。全ての位置情報を把握するには苦労を伴いますが、コミュニティーの人と話すチャンスでもあり、やりがいのあるプロジェクトです。自分が提案したプロジェクトの実行に当たって、現地の議員や職員を説得することは大変なことですが、このように実現に向けて進んでいる案件もあり、とても充実しています。ジャマイカでの任期は残りわずかとなりましたが、悔いを残さないように、日常生活も十分に楽しみつつ、最後まで仕事をやり切りたいと思います。

【木康光さん】
写真:木康光さんさん
 木康光(たかぎ・やすみつ) 東京都で地方公務員を経て、2014年1月から青年海外協力隊としてジャマイカに派遣。セントエリザベス教区事務所で行政サービスの改善を支援。大垣市出身。31歳。

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