ふるさとへの便り

キルギス

「伝統の手芸」継承支援
写真:手芸を楽しむ子どもたち=キルギス

手芸を楽しむ子どもたち=キルギス

 キルギスの首都ビシュケクにあるオシュバザール。キルギス人が生活用品や食料、衣料品など生活に欠かせないものを安価で購入する大型市場である。その一角に、クヤルバザールというお土産市場があり、キルギス伝統手工芸品が多く並べられている。よく目につくのは、羊毛を使ったアクセサリーや小物である。キルギスでは家畜として羊を多く飼育しており、羊肉を食用にするのはもちろん、羊の骨を使ったチュコという遊びをしたり、羊の胴体をボールにしてコクボルというスポーツをしたり、羊毛でカーペットやアクセサリーを作ったりする。

 わたしが勤務する児童保護施設では、週に3回手芸教師が勤務しており、クラブ活動が行われている。しかし、手芸用品を買う予算がなく、羊毛を使った伝統的な手芸の指導が行われていなかった。そこでJICAの制度を利用して羊毛を購入し、子どもたちが手芸を学ぶ環境を整え、アクセサリー作りを始めた。

 綿の状態から、せっけん水を使って手のひらで転がしながら、丸い形を作り、その丸い形を何個もつなげて、ネックレスやピアスにする。中には、すぐに飽きてしまう子どもや、うまく作れなくて投げ出してしまう子どももいた。そういう子どもには「こうしたらうまくできるよ」「次はうまくできるよ」と励まして、上手にできたときはたくさん誉めるようにしていた。徐々に子どもたちは作るのが楽しくなったのか、みんなでおしゃべりをしたり、歌を歌ったりしながら作るようになった。みんなで一緒に作る楽しさを感じること、手芸を通じて伝統文化を学び、継承していくことが大切だと感じている。

 作ったアクセサリーや小物は、これまで2回のイベントで販売した。このように売り上げたお金で手芸用品を購入し、その手芸用品を使って子どもが手芸を学び、作成し、また作った物を販売する。そういうサイクルを作って、子どもたちがキルギスの伝統的な手芸を学び続けることができればと思っている。

【清水玲那さん】
写真:清水玲那さんさん
 清水玲那(しみず・れいな) 製薬企業を退職後、2014年1月から青年海外協力隊としてキルギス共和国、児童保護施設にて勤務。更生保護ボランティア「神戸北BBS会」元会長。各務原市出身。30歳。

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