ふるさとへの便り

マレーシア

特別支援教育広める
写真:音楽ワークショップの様子=マレーシア

音楽ワークショップの様子=マレーシア

 マレーシアへ来て10カ月、任期は折り返しが近づいてきました。私はイポーという中枢都市から50キロほど離れたスリイスカンダルという町で特別支援教育を行っています。

 マレーシアは数年後に先進国入りを目指しており、都市部は日本と変わらない発展をしています。しかし、急速な発展を遂げている中、所々インフラや環境問題といった点で不十分な印象を受けました。地方はより整っておらず、道にごみが散乱していたり、生活排水が川に流れていたりしています。しかし、そんな道にオオトカゲやサルが歩いており、自然がまだまだ残る、そんな町に住んでいます。

 また、イスラム教徒が95%を超えるこの町では、この記事を書いている7月上旬はラマダーンの最中なため、日の出ている時間帯(朝のお祈りから夜のお祈りまで)は飲まず食わずで、店も開いてません。この国の文化を体験するために私もラマダーンに挑戦していますが、非常につらいです。

 さて、マレーシアの特別支援教育を紹介します。この国には特別支援学校はありますが入れるのは視覚、聴覚に障害のある子のみです。ですから発達障害などの特別支援教育は、学校に併設する支援学級で行われています。数年前にマレーシア全土で一斉に始まったため、まだ教員の技術が整っていません。障害についての知識が少ないことから体罰もあります。教材教具はそろっていますが、効果的な使い方が分からず部屋の隅に置かれていたりする現状です。また政府の特別支援教育に対しての理解も乏しく、カリキュラムはアカデミック中心に作られ、本来重視されるべき情操教育やSST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)が不十分という現状です。

 これらの背景から私は障害理解を深めるためのワークショップや、教材教具と使い方の紹介、情操教育の指導を特別支援教育に関わるスタッフ向けに取り組んでいます。またキャリア教育のニーズも出ており、現地教員と共に取り組んでいます。蜂屋柿を食べることを楽しみにあと半分頑張ります。

【今井翼さん】
写真:今井翼さんさん
 今井翼(いまい・つばさ) 特別支援学校教員を経て2014年10月から16年10月まで、障害児・者支援の分野で青年海外協力隊としてマレーシアへ派遣。美濃加茂市出身。26歳。

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