ふるさとへの便り

タンザニア

貧しくても笑顔満開
写真:運ばれたヤギ1頭分の肉=タンザニア

運ばれたヤギ1頭分の肉=タンザニア

 タンザニアに派遣されて、1年半が過ぎました。職業訓練学校の服飾コースでの活動も楽しく、同僚は「あと少しで帰るなんて言わないでずっと居なさい」なんてうれしいことも言ってくれます。

 さて、今回は私の生活の拠点ダカワ村を紹介します。私の住むモロゴロ州ダカワ村は、首都ダルエスサラームから5時間ほど内陸に行った所にあります。商店、レストランやゲストハウスも無く、最近は電気や水が毎日数時間のみ利用可能な村です。

 そんな何もない村の最大の自慢は、近くで行われている毎週土曜日のマサイマーケットです。ここはマサイ族が催すマサイ族のための牛の売買会場で、会場の奥では自慢の牛を見せ合い、それを競りにかけます。マサイシュカと呼ばれる彼ら独特の布をまとい、中には髪の毛に見立てた毛糸で頭を飾り、腰にはビーズのベルトをしておしゃれなマサイもちらほらといます。

 そして会場の手前では牛、ヤギが食肉解体され、その場で焼かれたジューシーかつフレッシュなお肉が振る舞われます。日本では見ることのできない光景が広がり、初めて行ったときには目を伏せてしまいました。

 タンザニアでの生活は野性的でとても刺激を受けます。マサイマーケットで見るようなお肉も日本では全て適量にカットされ、パック詰め。突然の停電も断水もあり得ないことがタンザニアでは日常茶飯事です。日本に居たら気が付かなかった有り難さや小さな幸せを、このタンザニアライフが教えてくれます。タンザニアは発展途上国であり、貧しい人々がたくさんいます。

 私たち青年海外協力隊が任地の人々との生活、交流を通じて伝えることのできる小さなアイデアで、いろんなことが大きく変わります。日本では当たり前にしてきたこともタンザニア人には新しい発見になるからです。そしてそのアイデアに対して同僚たちからの提案が加わり、まさに「三人寄れば文殊の知恵」。遠い国から来た年下の私に対等に接して、時にはふざけて笑わせてくれる同僚たちには感謝しています。貧しくても、人々には笑顔があふれ、生きるパワーがみなぎっています。そんなタンザニア人、タンザニアライフが私は大好きです。残りの半年間、思い残すことがないように活動に取り組み、楽しんで日本に帰りたいと思います。

【後藤洋美さん】
写真:後藤洋美さんさん
 ごとう・ひろみ 大阪の服飾専門学校を卒業後、アパレルメーカーで5年半勤務の後、2014年1月から青年海外協力隊としてタンザニアに派遣。服飾隊員として職業訓練学校の服飾コースで指導。飛騨市出身。28歳。

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