ふるさとへの便り

バングラデシュ

国民的体操作り出す
写真:「バングラデシュ・ラジオ体操」をする人たち=バングラデシュ

「バングラデシュ・ラジオ体操」をする人たち=バングラデシュ

 今年7月、体操の専門家らとバングラデシュオリジナルのラジオ体操を作り上げました。チョルチョルチョル、チョルチョルチョル−。軽快なリズム、行進で始まる曲は、バングラデシュの2大詩人の一人の曲。この国の独立当初から国民に親しまれている曲です。

 この体操には大きな目的があります。一つは、ベンガル人の健康のため。油分の多いカレーや揚げ物をよく食べ、甘味も糖分過剰なものが定番で、糖尿病や肥満の人が周りにたくさんいます。それなのに、運動習慣や体育の授業はほとんどありません。日頃からそれを問題と感じていた私は「ラジオ隊員として出来ることはないのか」と行く先々でベンガル人と話しました。解決に向け、初めは日本のラジオ体操の紹介番組を制作。昨年9月には、体操の専門家らを集め、各国にある国民的体操を紹介。バングラデシュに国民的体操を作ろう!と呼び掛けました。

 それから1年。長い道のりを経て、体操専門家のベンガル人と共に体操を形にしました。出来上がった体操は、他の国と違い「詩」があるのが特徴です。当初、オリジナルで曲を作ろうと考えていた私に、ベンガル人がこう言いました。「曲は、この国の2大詩人の一人が作った曲にしよう」。目が覚めるような一言でした。バングラデシュはベンガル語の国。母国語を誇りにし、詩を書く人も多いのです。まさに、この国らしい発想でした。

 さらに体操では、その曲を流すだけではありません。「ドアを破るって、どう表現するの?」。詩の言葉を一つ一つ体操で表現したのです。この国は途上国なだけではない。こんなにも素敵な詩の文化と表現力があるのだと、私は、この体操を通して世界に伝えたいです。そして、国民が誇りに思う体操で、身も心も健やかに暮らせますように。体操習慣が根付くまで、ベンガル人を楽しく巻き込み、任期をかけて普及します。「バングラデシュ・ラジオ体操」で検索、インターネットから視聴可能です。

【安藤恵理子さん】
写真:安藤恵理子さんさん
 安藤 恵理子(あんどう・えりこ) 北海道のテレビ局・報道部を経てバングラデシュに派遣(2014年2月〜16年2月予定)。バングラデシュ北西部でコミュニティラジオの番組制作支援を行う。瑞浪市出身。28歳。

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