ふるさとへの便り

中国・上海

エコで頭から植物?
写真:豆芽花を頭に着けて楽しむ人々=中国・上海市

豆芽花を頭に着けて楽しむ人々=中国・上海市

 中国の急速な経済発展の裏側で対策が後回しにされてきた環境問題は、インターネットやスマートフォンなどの普及に伴い容易に情報収集、発信ができるようになったことで相次いで表面化し、人々の知識も高まり、健康や安心安全な暮らしを求める声が高くなってきました。政府も環境保護に真剣に取り組むとして、25年ぶりの改正で史上最厳格とまで言われる新環境保護法が今年1月1日から施行、来年1月1日からは15年ぶりの改正となる大気汚染防止法が施行されます。

 最近、中国では人々の環境や緑色(エコ)に対する関心度が高まってきていることを象徴していると勘違いしてしまいそうなユニークなアイテムが各地で流行しています。それは豆芽花(トウヤーホァ)という頭の上から植物が生えているように見える髪飾りです。形は双葉やクローバーの形から花や果物、昆虫と種類が多く、メディアによると最初は四川省成都市の観光地で販売されていたものが、杭州、武漢、西安などの観光地に広まり大流行になったようです。

 この波は夏ごろから上海市にもやってきました。市内の露店で3個10元(200円)と手頃な価格で気軽に楽しめるということも人気を後押ししているのでしょう。週末、公園やイベント会場には子どもや若者を中心に豆芽花を付けている人を多く見かけます。また、豆芽花を付けて楽しんでいる様子を自身のブログやウィーチャット(中国版ツイッター)で公開する人も多く、仲間全員が豆芽花付けて撮る集合写真はお決まりパターンの一つになっているようです。

 このアイデアは日本アニメの影響という説もあるようですが、中国に羊族と狼族をテーマにした「喜羊羊与灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」というアニメがあり、その中に登場する羊村の村長で発明熱心な慢羊羊(マンヤンヤン)、考えると頭に“知恵の草”が生えてくるキャラクターがモデルになったという説が有力のようです。アニメやゲームなど日本文化の影響を受けて、「萌」(萌え)という言葉は中国でも定着していますが、豆芽花を付けることは“萌え萌え”なのだそうです。

 今年の9月27日(旧暦8月15日)は中国の中秋節です。家族で月を見ながら月餅(げっぺい)というお饅頭(まんじゅう)を食べる習慣がありますが、今年は“豆芽花”を付けて中秋節を楽しむ画像をツイッターなどにアップする人も出てきそうです。

【谷口真里子さん】
写真:谷口真里子さんさん
 谷口真里子(たにぐち・まりこ) 2013年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業進出・販路開拓等支援、観光等岐阜県PR、岐阜県人会開催など。垂井町出身。

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