ふるさとへの便り

インドネシア

夢追う若者、街に活気
写真:ユニークな商品を取りそろえた店が並ぶパサールサンタ=インドネシア

ユニークな商品を取りそろえた店が並ぶパサールサンタ=インドネシア

 ジャカルタに駐在し11カ月。近代的な高層ビルとローカル感漂う建物が混在するジャカルタにはインドネシア各地、また世界各地から多くの人が集まります。夕方、街中を埋め尽くす自動車とバイクの光景はインドネシアの経済発展の様子を物語っています。インドネシア人は友好的な人が多く、見知らぬ人同士でもまるで友人のようにしゃべる様子をよく見かけます。そのような気質もあってか商売上手で、私たちが買い物に行っても、フレンドリーな会話と巧みなセールスでつい余分に買ってしまうこともしばしばです。

 南ジャカルタにパサールサンタという伝統市場があります。ショッピングモールの増加により多くの伝統市場が閉店に追い込まれました。パサールサンタは最近日系の情報誌などにも取り上げられるほど、若者に人気の場所として注目されています。古びた建物でほとんどの店のシャッターが下りており、とても雑誌で取り上げられるような場所には思えません。ところが、2階に上がってみると、そこは屋台街のような空間になっており、多くの人々でにぎわっていました。

 空きスペースが増え、家賃が急落したことをきっかけに独立を目指す若者が集まりました。平日などは通常の仕事をこなし、空いた時間を活用し自分の店を経営します。それぞれが知恵を絞ったユニークな商品を取りそろえており、ショッピングモールでは見られない個性ある店舗が並びます。冷房もない蒸し暑い空間ですが、意欲的に商売を行う若者の姿、あふれかえる客、伝統的な市場と現代的な若者の発想の混在は、まさにジャカルタの縮図を見ているように感じられました。

 インドネシアは豊富な労働人口・巨大なマーケットに注目が集まりますが、個々を見てみると非常に意欲的な若者が多く存在しているのも確かです。ある日系企業では、若手のインドネシア人社員が自らの発想で会社発展のための提案を行っているとうかがいました。一方、ジョブホッピングが一般的に行われており優秀な社員が定着しないのも企業にとっては悩ましい問題の一つです。

 インドネシアは日々変化しています。意欲ある若者たちが次々と生み出していく新しいビジネスが、今後のインドネシアの経済発展を支えていくことになるかもしれません。

【浅野智博さん】
写真:浅野智博さんさん
 浅野智博(あさの・ともひろ) 2010年十六銀行入行。岐阜県内営業店勤務を経て2015年1月からバンクネガラインドネシア(BNI)へ派遣(海外サポート部所属)。岐阜市出身。

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