ふるさとへの便り

スリランカ

「学びを楽しむ」浸透
写真:子どもたちに歌遊びを教えている様子=スリランカ

子どもたちに歌遊びを教えている様子=スリランカ

「ワナッカム(タミル語でこんにちはの意味)」。スリランカで青年海外協力隊員として活動している磯野沙織です。早いもので赴任して1年5カ月がたちました。私は現在、教育事務所に勤務し、地域にある五つの特別支援学級の巡回指導、先生たちへのワークショップを行っています。

 これまで机に向かってする学習が中心だったスリランカの特別支援教育。赴任当初も何時間も同じ文字を繰り返し書き、ノートに書かれた丸の数を数えるだけの勉強に子どもたちの笑顔はあまり見られませんでした。

 私がいつも思っていることは「体験的な活動、楽しい学習を通してこそ子ども達の力がつく」ということ。なので、ワークショップでは学びにつながる遊び(ゲーム)を紹介したり、音楽や体を動かす活動がどう子どもたちの発達につながるかについて話をしたりしてきました。そしてそのいくつかを実際に教室で一緒に行ってもきました。そこで実際に子どもたちが笑顔で活動する姿、積極的に取り組む姿を目の当たりにすることで、先生たちの中にも少しずつではありますが、体験的な活動、楽しい学習の大切さが伝わってきたように思います。

 10月には、先生たちと日本のNGOが運営する障害児のデイケアセンターへ行ってきました。子どもたちのニーズに合うよう丁寧に作られた教材、音楽やダンスを取り入れた運動プログラムなどを現地の人たちと実践しているセンターで、先生たちもその一つ一つに関心を持ち、いろいろと質問していました。

 この研修をきっかけに、それまで授業中にもかかわらずおしゃべりしたり、どこかに行ってしまいがちだったりした先生が、自ら教材を作ってきて、それを使った授業を見せてくれ、授業後には「どうだった?」「どこか改善するところあるかな?」と私に意見を求めてきたことがありました。実際に先生たちが変わっていく姿を見ることができ、とてもうれしい出来事でした。

 このようにうまくいったことばかりではありません。伝わらなかったことや失敗に終わったこともたくさんありますが、子どもたちの学びと笑顔を育てるため、残りの任期も現地の先生たちと共に歩んでいきたいと思います。

【磯野沙織さん】
写真:磯野沙織さんさん
 磯野沙織(いその・さおり) 特別支援学校教員。2014年7月から青年海外協力隊員としてスリランカに派遣。職種は障害児者支援。各務原市出身。30歳。

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