ふるさとへの便り

ガーナ

実験通し「楽しい学び」
写真:小さな村での授業の様子=ガーナ

小さな村での授業の様子=ガーナ

 ガーナに来て1年がたとうとしている。日本人の多くは、ガーナと聞けばチョコを思い浮かべ、アフリカということで大草原と多くの動物をイメージするのではないか。私は首都から4時間ほど離れた小さな町に住んでいる。山に囲まれて年中木々が生い茂る風景は、まるで日本の山間のようだ。珍しい動物はほとんどおらず、チョコも高価なためなじみがなく、日本で描いていたイメージとは違っていた。

 ガーナはカラフルな衣装、歌とダンスがあふれた平和な国だ。50を超える現地語が現在も残っており、地域ごとのチーフ(首長)といった昔からの伝統を守っている。家族のつながりがすごく強く、葬式の壮大さには驚かされる。私はこの町に住む初めての外国人であり、外に出ると至る所からコムラー(現地名、火曜日生まれの意)やヨボー(白い人)と声を掛けられ、家族のように接してもらっている。

 活動では、理科教師として地域の小中学校を巡回し、実験を取り入れた授業を行っている。理科は身の回りと結びつくことが多く、私は小さい頃から実験が好きでワクワクしながら楽しんでいた。実験を通して、子どもたちに学ぶことの楽しさを感じてほしい。先生たちにそんな授業を継続的に行ってほしいと思いながら活動している。

 しかし、現状は実験はほとんど行われず、子どもたちは言葉を丸暗記するだけだ。そんな現状を少しでも良くするという改善こそ私の活動になる。ところが、日本人には浸透している「改善」という概念が彼らにはなく、「変化」への抵抗が非常に強い。変化への抵抗は、日々の生活の中でさまざまな形で思い知らされている。このような壁は大きく、日々、悪戦苦闘が続いている。

 実験をしている子どもたちの楽しそうな姿を見ると、少しでも改善させたいという気持ちが強くなる。彼らにとって私が来た意味、私だからこそ伝えられることがあるはずだと信じている。残りの1年間、少しでも、一人でもいいから伝わるように自分らしく過ごしていきたい。

【早野和広さん】
写真:早野和広さんさん
 早野和広(はやの・かずひろ) 地元の銀行勤務を経て2015年3月から青年海外協力隊としてガーナに派遣。理科教師として地方の小中学校を巡回指導。大垣市出身。31歳。

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