ふるさとへの便り

ブラジル

当番制で責任感育む
写真:小学生の書写の授業の様子=ブラジル

小学生の書写の授業の様子=ブラジル

 「先生!おはよう!」と、ぎゅっとアブラッソ(抱擁)してくれる子どもたち。私は日本語のあいさつと、ブラジル文化であるアブラッソを一度に体験できる場所で活動しています。ここはブラジルのパラナ州ロンドリーナ市にある私立学校「めぐみ学園」。ブラジルに移住した日本人の方が1959年に創立した学校です。この学校で学ぶ児童生徒の多くが日系4世、5世です。私はここで日本語を教え、日本文化や日本の学校を紹介する活動をしています。

 ロンドリーナ市は日系人の多い街です。街を歩けば日系人とすれ違い、スーパーに行けば日本食材を手に入れることができます。このように日本を感じていると、ブラジルが地球上で日本と反対側に位置する国だということを忘れてしまいそうです。

 さて、ブラジルで日本文化は日系人だけでなく、多くの人々に受け入れられています。これは文化がもともと持っている魅力に加え、日系人の方々がブラジルで活躍され、信頼されてきたからこそ、日本文化も広く知られ、認められてきたのだと思います。また、多様な文化や背景を持つ人々が共栄する国だからこそ、他の文化と同様に日本文化も大切にされているのでしょう。

 このような場所で、私は活動を通して、特に日本の学校で大切にしていることを子どもたちに伝えたいと考えています。日本語の授業では、当番による授業のあいさつを取り入れました。ブラジルの学校には係活動がありません。責任を持って取り組むこと、時間のめりはりをつけることを伝えたいです。書写の授業では、心を落ち着け、自分と向き合う時間にしてほしいと考え、集中して取り組むよう声を掛けています。また「いただきます」「ごちそうさまでした」と食事に感謝し、残さずきれいに食べることを教えています。

 相手を大切に思う気持ちをアブラッソで伝えるブラジルの子どもたち。毎日、元気にのびのびと過ごしています。日本の学校で大切にしていることの中で、彼らの成長の手助けになると考えたことは、どんどん伝えていきたいと思います。また、ブラジルの子育てや教育についての学びを日本へ持ち帰り、日本での教育に生かしたいです。

【小池美也子さん】
写真:小池美也子さんさん
 小池 美也子(こいけ・みやこ) 岐阜県小学校教諭。2015年6月から日系社会青年ボランティアとしてブラジルに派遣。職種は小学校教育。美濃加茂市出身。34歳。

「ふるさとへの便り」一覧