ふるさとへの便り

中国・常州市

遺産生かし観光振興
写真:常州市政府とその周辺=中国

常州市政府とその周辺=中国

 4月中旬、中国江蘇省常州市へ行く機会がありました。常州市といってもあまりなじみがないかもしれませんが、人口約470万人の大都市です。常州市は中国沿岸部の中心となる江蘇省に属しており、省都である南京市や、蘇州市・無錫市とともに同省の中心都市です。

 私が住んでいる上海市から北西に約160キロの距離がありますが、高速鉄道なら約1時間、車なら約3時間で行くことができます。常州市の歴史は古く、約3200年前には呉の国の領地として、約2500年前の春秋時代末期からは都市としての歴史を持ちます。常州の名は隋の時代から使われるようになりました。城壁の形や、皇帝を多く輩出したことなどから龍城とも呼ばれ、市内には数多くの歴史・文化遺産が点在しています。

 最近、常州市は「中国太湖リゾート観光区」を構成する重要な観光地として知名度を高めています。中国観光協会が決定する観光地のグレードで最高となる国家5Aクラスの観光地「環球恐竜城」は、50を超す恐竜の化石展示や各種アトラクション、地下2000メートルから上げた温泉施設などがあり、一大テーマパークとなっています。ほかにも、歴史遺産として有名な「春秋淹城遺跡」。これは2500年の歴史を有する、中国で最も完璧に保存された春秋時代の遺跡で、外縁の大型テーマパークとともに春秋時代を主要テーマとした観光地として人気を呼んでいます。

 常州市はビジネス分野でも注目されています。近代は紡績などの軽工業が栄えましたが、時代が進むにつれ、上海市の1時間経済圏という好立地から経済が発展し、上海市周辺と比べ、コストダウンが図れることなどから外国からの投資も増えました。これまでに外資企業約3600社が進出し、その中には世界トップ500の外国企業のうち約60社が含まれています。日系企業も大企業・中小企業を合わせて600社以上が進出しています。

 また、古くは科挙制度で多くの人材を輩出したといわれる常州市は、教育にも力を入れています。市内には「常州大学城」と呼ばれる高等職業教育専門の実験区があり、約8万6000人の学生が学んでいます。彼らは卒業後、市内を含めた周辺企業などでの活躍が期待されています。

 OKB大垣共立銀行は常州市政府と2005年に業務提携を結び、昨年提携10周年を迎えました。常州市進出サポートなどで同市との関係は強化されており、今後もこのネットワークを生かし、地元企業の海外ビジネスに貢献していきたいと考えています。中国経済は調整期を迎えていますが、新たな中国の可能性を発見できないかと期待しながら、地方都市に一歩足を踏み入れるのも有意義ではないでしょうか。

【大杉佳明さん】
写真:大杉佳明さんさん
 大杉佳明(おおすぎ・よしあき) 大垣共立銀行上海駐在員事務所所長。1996年入行。海外事業推進部を経て、2015年10月より上海駐在員事務所に勤務。取引先の海外進出支援などを担当。愛知県出身。43歳。

「ふるさとへの便り」一覧