ふるさとへの便り

ベトナム

女性活躍、経済けん引
写真:路上で果物や野菜を売る女性=ベトナム・ハノイ市

路上で果物や野菜を売る女性=ベトナム・ハノイ市

 先日、ふとハノイ中心部にあるベトナム女性博物館を訪れたときのこと。思い出されたのは3月にあった国際女性の日です。職場の同僚男性たちが、花束を携えて同僚女性をランチに招待し、口々に「シン カム オン」(本当にありがとう)と祝い、日頃の労をねぎらっていました。

 ベトナムでは国際女性の日が定着しており、男性が女性にプレゼントを贈ったり、食事に招待したりする習慣があります。夫婦間や恋人同士だけではなく、職場においても男性社員が女性社員に贈り物をするのです。女性に感謝を示す日はこの日だけではなく、10月にもベトナム女性の日という記念日があり、国際女性の日と同じように男性から女性にプレゼントを贈る習慣が定着しています。

 ここ数日、ハノイは年間を通じて最も暑い時期に差し掛かり、連日40度近い日が続いています。ハノイの街を歩いていると、暑い中、女性が懸命に働く姿をよく見かけます。男性がカフェや路上でコーヒーを飲んで談笑しているのに対し、女性は道端で物を売ったり、屋台を切り盛りしたりと、商売にいそしんでいる光景が日常となっています。どうやらベトナムでは、男性よりも女性の方が勤勉で働き者のようです。

 べトナム戦争当時、ほとんどの男性が戦争に駆り出される中、女性が家事だけでなく、農作業などの生産活動を行い、一家を守っていました。当時の女性は、農作業中も武器を担いで周辺の警備を行ったり、民兵として前線で戦ったりと、家族と国を守ってきたのです。このようなこともあってか、女性が家から出て働くのは当然のことという考えが浸透し、ベトナムでは夫婦共働きの家庭が多くなっているのではないでしょうか。

 ベトナム女性博物館に足を踏み入れると、その中で1000点以上もの、女性の活動に関する品物や写真を見ることができます。家庭での女性、歴史の中の女性、女性のファッションの三つのテーマで展示がされており、それぞれの角度からベトナムにおける女性の活躍を知ることできます。館内の最後のコーナーには、各分野で現在活躍している女性を紹介するコーナーがあります。

 いまだGDP成長率が5−7%と経済発展著しいベトナム。館内で足を止め、彼女たちの姿を見ていると、今後も女性たちの活躍が同国の発展に大きく貢献することを期待せずにはいられません。

【中村敦さん】
写真:中村敦さんさん
 中村敦(なかむら・あつし) 2009年十六銀行入行。岐阜県内の営業店勤務を経て、2015年11月からベトナム投資銀行(BIDV)へ派遣(海外サポート部所属)。不破郡垂井町出身。

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