ふるさとへの便り

フランス

飛騨高山の認知拡大
写真:日本政府観光局パリ事務所で観光情報の説明を受ける女性=フランス・パリ

日本政府観光局パリ事務所で観光情報の説明を受ける女性=フランス・パリ

 フランスでは長い夏のバカンスが終わり、新学期が始まります。バカンスの間、軒並み閉まっていたレストランなどもようやく開き始めました。フランスでは、勤務者は年間5週間の有給休暇を取ることが法律によって定められていますが、子どもの学校の夏休みの7〜8月に年間で最も長い休暇を取る人が圧倒的に多いです。

 夏のバカンス中、フランス人はどこに行くのでしょうか。実は約8割のフランス人がフランス国内で過ごします。特に海が人気で、南仏の海岸でゆっくり過ごす滞在型が理想とされています。もちろん国外へ旅行する人たちもいますが、行き先の7割以上がヨーロッパの国々です。不景気やテロの心配もあることから、国内滞在の傾向に拍車がかかっています。

 そのような中、フランスからの訪日旅行者数の伸びは好調で、7月は対前年同月比21.2%増の2万7000人で7月として過去最高を記録し、2014年3月以降29カ月連続で当該月過去最高を更新し続けています。16年1月から7月までの総数は14万9600人と対前年同期比21.3%となり、日本に対する関心が高いことがうかがえます。

 フランス人にとって、日本は一生に一度は行ってみたい憧れの国です。同じアジアのタイや中国に比べて長距離で旅費が高いことから、頻繁に行ける国ではないというイメージが根強く残っていますが、一度日本へ旅行した方の満足度は高く、「日本は何度行っても違う景色が見られる」とリピーターが増えつつあります。

 フランス人は、最低でも2週間以上長期滞在するため、心配性な彼らは事前に情報収集をし、念入りに計画をする傾向にあります。私が勤務する日本政府観光局(JNTO)パリ事務所には毎日、観光パンフレットや旅行情報を求めて多くのフランス人が訪れますが、大半が初めて日本に旅行する方々で、やはりゴールデンルートと呼ばれる東京、京都、大阪、広島の訪問を予定されています。

 しかし、驚くことにその中の6〜7割が飛騨高山も訪れたいと希望しており、訪日旅行の定番ルートとして定着しつつあります。「飛騨高山」は、フランス人がイメージする『古き良き日本』の姿であり、自然が多くあることも魅力のようです。街がコンパクトで観光しやすく、食事がおいしい、人が親切ともよく耳にします。

 フランス人は家族や友人からの口コミで、旅行先を決めることも多く、事務所を訪れたお客さまが「友人が、高山がとてもきれいで良かったと言っていたので、自分も行きたくなった」と話される方も少なくありません。雑誌などでも、非常に現代的である東京と地方の田舎のコントラストとして、飛騨高山の古い町並みや合掌造りで有名な白川郷が掲載されることが多くあります。このことから「飛騨高山」がフランス人のイメージする日本の伝統的な田舎のイメージとして認知されているという印象を受けています。

 フランスにおける飛騨高山のこれまでの長年の地道なPR活動が着実に実を結んできていますが、これからも多くの方々に飛騨高山の多様な魅力を広く知ってもらえるよう、頑張っていきます。

【森由貴さん】
写真:森由貴さんさん
 森由貴(もり・ゆうき)2013年3月より、高山市役所から日本政府観光局(JNTO)パリ事務所に派遣。大垣市出身。

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