ふるさとへの便り

インドネシア

渋滞解消へ規制導入
写真:慢性的な交通渋滞が問題となっているインドネシアの道路

慢性的な交通渋滞が問題となっているインドネシアの道路

 インドネシアでは慢性的な交通渋滞が深刻な問題となっています。先日、スマートフォン用無料ナビアプリを開発・運営するWAZE(ウェイズ)モバイル社が発表した調査では、世界38カ国235都市の渋滞度で、インドネシアの首都ジャカルタが世界ワースト2位となりました。

 このような事態を受け、新しく導入されたのが「偶数・奇数ナンバー制度」です。これは中国の北京などでも行われているもので、ナンバープレート末尾の数字を元に日によって進入車両を規制する制度です。偶数日には偶数ナンバー、奇数日には奇数ナンバーの車両が通行可能というシンプルなものです。

 規制時間は、通勤時間のラッシュ時間帯である平日の午前7時から10時と午後4時から8時です。企業や官公庁が集中するジャカルタ中心部の五つの道路が規制対象となります。7月27日から約1カ月の試験期間を経て、8月30日から正式導入されました。

 正式導入以降、違反者には50万ルピア(約3900円)の罰金もしくは2カ月の懲役が科せられます。最低賃金が月給310万ルピア(約2万5000円)のジャカルタでは、この罰金は小さな額ではないため、相応の効果が期待できそうです。

 警視庁は、この規制により規制区間では渋滞が20%軽減され、都心への乗り入れ規制に一定の効果が出ているとの見方を示しています。しかし、複数の車を持つ富裕層は偶数・奇数日に合わせて乗り換えて制度をかいくぐることが可能です。また、規制回避のためのナンバープレート変更サービスなどの新しいビジネスも懸念されています。

 ジャカルタ特別州への新規流入者は年間約5万8000人で、ジャカルタの人口は右肩上がりで増加しています。車両(二輪車を含む)も年100万台超のペースで増加していると言われています。人、車両ともに増え続けている状況下で、慢性的な交通渋滞緩和のためには、乗り入れ制限などでの対策には限界があるのではないかと私は思います。公共交通機関利用促進や新たな道路の整備が不可欠と言えるでしょう。

 ジャカルタ近郊では鉄道、モノレールの建設や、道路拡張といった計画も進行してはいるものの、完成まではまだ数年かかる見込みです。渋滞による経済損失や大気汚染も懸念されており、交通渋滞解消は急務の課題です。交通渋滞の根本的な解決のために、一刻も早いインフラ整備が望まれます。

【三浦武雄さん】
写真:三浦武雄さんさん
 三浦武雄(みうら・たけお) 2009年、十六銀行入行。春日井支店、関支店、西多治見支店といった営業店勤務を経て16年1月からバンクネガラインドネシア(BNI)へ派遣(海外サポート部所属)。愛知県春日井市出身。

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