ふるさとへの便り

中国

「独身の日」通販過熱
写真:「独身の日」2日後の路上の宅配風景=中国

「独身の日」2日後の路上の宅配風景=中国

 「11月11日」。今年もこの日が、中国の象徴的な一日として大きく注目されました。ここ数年、日本のメディアでも大きく取り上げられることがあるので、ご存じの方も多いと思いますが、中国では11月11日が「独身の日」として定着しています。「1」(シングル)が並んでいる日ということからですが、元々は1990年代に中国の学生の間で、この日に合わせて、独り者同士がパーティーを開いたり、プレゼントの交換をしたりするようになったのが始まりとも言われています。

 その後、2009年に、中国インターネット通販最大手のアリババ集団がこの「独身の日」に目を付け、独身者へ「自分へのご褒美を」という趣旨で、EC(電子商取引)サイトで激安セールを仕掛けました。これをきっかけに、ネット通販会社がこぞって特売を行う日として注目が集まり、今では、独身者のみならず、幅広い年齢層を巻き込んだ国民的なイベントとして定着、一年で最も多くの商品が売れる日として話題を呼んでいます。

 この日はインターネット上で、自動車や家電製品、衣料品や化粧品から日用品、食品まで、さまざまなものが通常より割引となり、相当な特価品も出現するため、多くの人がこの日に合わせて買物をし、中には1年分の日用品を購入するつわものも現れるほどです。アリババ集団のセールでは、インターネット通販取引額を実況中継するイベントも行われました。今年は午前0時の販売開始から、わずか6分58秒で100億元(約1560億円)を突破、1日の売上高は1207億元(約1兆8900億円)にも達し、前年比32%増の過去最高を記録したということですから、その過熱ぶりには驚くばかりです。

 宅配業者の配送品の規模は10億個以上とも推計されており、掲載の写真は「独身の日」2日後の街の風景(宅配風景)ですが、普段とは一変し、大量に積み上げられた荷物が大変印象的でした。

 現在、中国ではインターネットやスマートフォンの普及が急速に進んでおり、また電子決済の仕組み、環境整備も相当進んでいることから、多くの人が気軽にネットショッピングをする状況が生み出されています。15年の中国のEC市場規模は日本円にして約80兆円だったとも言われており、その規模は米国の約2倍、日本の約7.5倍の世界第1位で、今後も拡大が続いていくことが見込まれています。

 今回の「独身の日」は特に象徴的な現象と言えますが、世界最大の規模を誇る中国EC市場の動向については、今後も注目し続けたいと思っています。

【島田誠さん】
写真:島田誠さんさん
 島田誠(しまだ・まこと) 2016年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業進出・販路開拓等支援、観光等岐阜県PR、岐阜県人会開催など。美濃市出身。41歳。

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