ふるさとへの便り

ガーナ

洗濯は手洗いが主流
写真:「キーソープ」と呼ばれる長いせっけん

「キーソープ」と呼ばれる長いせっけん

 日本で家電の「三種の神器」という言葉が使われなくなって久しいが、ガーナでは、家電は庶民にはなかなか手が届かない高級品です。テレビ、冷蔵庫は私の住んでいる村に数台しかなく、洗濯機はおそらく1台もありません。隊員の中でも洗濯機を持っている人は少数です。

 ガーナの洗濯は手洗いが主流です。洗濯板も使わない場合が多いです。私も自分で洗濯しますが、量が多い時は生徒が手伝ってくれます。バケツに水を入れ、一度服をぬらしてからせっけんをこすりつけます。左手で洗濯ものの端をつかみ、右手で別の箇所を持って左手を前後に動かします。自分の腕を洗濯板に見立てるのがこつです。

 ガーナ人はとてもきれい好きです。洗濯だけでなく洗車も小まめに行います。私の配属先である職業訓練校にはバイクで通勤している先生が多くいるのですが、生徒が先生のバイクを洗っている光景を週に何度も目にします。また、街へ出ると、タクシーを洗車しているところを必ず一度は見掛けます。

 きれい好きのガーナ人はせっけんを大量に使います。1回の洗濯で通常サイズの固形せっけんを使い切ることもあります。そんなガーナ人のために、40センチほどの長さの棒状の石鹸が市場で売られています。このせっけんは「キーソープ」と呼ばれており、鍵の形の刻印がされているのが特徴です。価格は日本円に換算して200円前後。適当な長さに切って使います。

 以前、首都で行われる行事に参加するために隊員用の宿舎に泊まった時、洗濯機が壊れて使えなくなったことがありました。「直るまで待てばいいのに」とつぶやく他の隊員を尻目に、バケツに水をくんで手洗いをしました。いつでも使える水道が近くにあったので任地よりは楽でした。慣れれば洗濯機よりもきれいになります。白い服は驚きの白さになります。ガーナ人にとって高価な洗濯機など必要ないのかもしれません。皆さんも一度手洗いに挑戦してみてはいかがでしょうか。

【林俊宏さん】
写真:林俊宏さんさん
 林俊宏(はやし・としひろ) 映画館勤務を経て、2015年9月から青年海外協力隊としてガーナへ派遣。村落部の職業訓練校でパソコンの基本的な使い方を指導。岐阜市出身。28歳。

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