ふるさとへの便り

バヌアツ

言語の壁超えて医療
写真:手術室での様子=バヌアツ

手術室での様子=バヌアツ

 オーストラリアから飛行機で3時間の距離にあるバヌアツは、とても自然豊かな83の島々から成っています。今回はバヌアツの言語と私の活動について少し書かせていただきます。

 バヌアツの公用語は、ビスラマ語、英語、フランス語の三つです。その他にランゲージと呼ばれる、各島や地域でのみ話される言葉が100以上あります。多くのバヌアツ人は公用語のほか、出身島のランゲージと配偶者のランゲージも話すことができます。英語の「グッドモーニング」はウリピブ島では「エレスソロボン」、アンバエ島では「ランガレア」と全く違う言語です。

 そんな他地域や他島の人々とコミュニケーションをとるために生まれた言葉がビスラマ語です。そのため、活動で使用している言葉の9割はビスラマ語です。近隣国の看護学校や医学部は英語教育が大半なので残りの1割は医療用語の英語を使用しています。また、院内では他国の医療職種ボランティアやスタッフも多数活動しているので時折、中国語やフランス語、スペイン語、前述のランゲージが飛び交うこともあります。

 さて、私はバヌアツの病院で主に手術室で手術の介助や手術室や外科病棟を中心に、安全管理や感染対策行動の指導などを行っています。赴任先の病院は2014年6月に日本政府の無償資金協力で建設された外来、救急外来、検査室の新棟があります。バヌアツの手術室では主に排膿(はいのう)のための切開が半数を占め、その他には骨折の治療や、虫垂切除、帝王切開など日本で行われている手術もあります。また、卵管結紮(けっさつ)手術や糖尿病性壊死(えし)に伴う切断手術も非常に多く行われています。

 日本ではなじみのない卵管結紮手術ですが、バヌアツではピルなどの投薬や避妊具と同様に家族計画の一手段として行われています。病院に配属された初日にこの手術を目の当たりにし「どうして病気のない人にメスをいれるのだろう」と衝撃を受けたことを今でも忘れられません。

【浅見有香さん】
写真:浅見有香さんさん
 浅見有香(あさみ・ゆか) 病院勤務を経て2016年1月から青年海外協力隊としてバヌアツへ派遣。首都の国立病院にて手術室、外科病棟を中心に活動。岐阜市出身。26歳。

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