ふるさとへの便り

ベトナム

地域色豊かな麺料理
写真:ベトナムのフォー

ベトナムのフォー

 ベトナム麺料理の代表としてまず思いつくのは、「フォー」ではないかと思います。携帯電話のメールで「ベトナム」と打ち込むと、「フォー」の絵文字が出てくるほどです。「フォー」は米粉から作られた麺に、スープは鶏骨や牛骨からだし汁を取ったもので、とてもあっさりとした味です。ベトナム人は朝から食べますし、私たち駐在者も朝食として食べることがしばしばあります。このようにベトナムと言えば「フォー」がとても有名ですが、実は「フォー」以外にもいろいろな種類の麺があります。

 私は最近知ったのですが、「フォー」はベトナム北部が本場で、南部が本場の麺は「フーティウ」といいます。「フーティウ」も米粉から作られますが、天日干ししたライスペーパーを細かく切るため「フォー」よりコシがあるのが特徴です。また、エビや豚肉、卵、ニンニクなどがトッピングされており、やや濃い味付けになっています。ちなみに南部出身の当事務所スタッフは、やはり「フォー」より「フーティウ」をよく食べるそうです。

 一方、ベトナム中部の代表的な麺は「ブンボーフエ」といいます。この名前は「ブン」「ボー」「フエ」という三つの単語からできていて、ブンは麺の種類、ボーはベトナム語で牛、そしてフエはベトナム中部のフエ市を意味しています。「ブンボーフエ」のスープは、牛骨のだし汁が効いた赤みがかった色をしており、濃厚な味が特徴です。

 また、少しテイストが違う麺としては「ミー」が挙げられます。フォーやフーティウ、ブンボーフエは全て米粉から作られますが、ミーは小麦粉から作られており、ベトナム語でまさに「小麦」を意味しています。このミーは日本の麺とほぼ同じで、当地ではかた焼きそばやラーメンとして食べられます。

 その他の麺としては、昨年5月、オバマ前米大統領がハノイ市を訪れた際に食べたことで有名になった、ベトナム風つけ麺と呼ばれる「ブンチャー」のほか、中部地方発祥の太い麺「ミークアン」、そして同じく中部発祥のタレを絡めて食べる「カオラウ」、春雨のような米麺「ミエン」、うどんと同じ形状の「バンカン」などがあります。私もまだ食べたことがない麺もあり、今後食べる機会を楽しみにしています。

 日本では、まだまだベトナム料理のお店は少ないと思いますが、最近はエースコックが「フォー」のカップ麺や袋麺を販売していると聞きます。また、麺とは話が少し離れますが、「パクチー女子」という言葉もあるようで、少しずつですが日本でもベトナムの食文化が広がりつつあるのではないかと思います。日本も麺が好きな国民性で「うどん」「そば」「きしめん」「ラーメン」といろいろな種類の麺があり、ベトナムの食文化には親近感があるように思います。皆さんも「麺」をキーワードにベトナムを旅行するのはいかがでしょうか。

【大野寿さん】
写真:大野寿さんさん
 大野寿(おおの・ひさし) OKB大垣共立銀行ホーチミン駐在員事務所長。2002年入行、岐阜県や愛知県の営業店得意先係や海外事業推進部調査役を経て、16年4月からホーチミン駐在員事務所で取引先の海外進出支援などを担当。岐阜市出身。38歳。

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