ふるさとへの便り

ウガンダ

「安全な水」普及活動
写真:村の女性と改良かまどを作る様子=ウガンダ

村の女性と改良かまどを作る様子=ウガンダ

 青年海外協力隊員としてウガンダ南西部のラカイ県で活動を行い、早いもので任期も残り1カ月半となりました。

 皆さんは、テレビなどでアフリカの子どもが汚い池の水を飲んでいる光景を目にしたことが1度はあると思います。世界保健機関(WHO)によると、子どもの死亡要因の2位は水因性疾患だそうです。

 ラカイ県は土地および地下水の性質上、井戸の採掘が困難なため、住民の多くは飲料水を含む生活用水に、湖や池の水を使用しています。赴任当初はその光景にショックを受け、途方に暮れました。湖の水を引いて水道を整備すれば解決する問題ですが、そのような予算などありません。しかし、コミュニティーに解け込み、彼らと同じ言葉を話し、同じものを食べているうちに、人々のどのような行為が水因性疾患を引き起こす要因となるのか徐々につかめてきました。

 まず、食事について。彼らのご飯は食用バナナを蒸したものに豆のスープというのが定番料理ですが、どちらも1時間近く蒸して煮ています。WHOによると、15分以上煮沸すると水中の全ての菌が死滅するとのことです。ですから私は村でお昼ご飯をいただいてもおなかを壊すことはありません。しかし、飲料用の水となると、煮沸しないでそのまま飲む家庭もあるようです。

 次に、子どもの生活について。村では乳幼児が裸で地面に座っている光景をよく見かけます。また、彼らは地面に落ちているものを何でも口に入れます。私は、飲料水か子どもたちを取り巻く不衛生な環境が、水因性疾患を引き起こす要因となっている可能性が高いと結論付けました。

 そこで、任期後半は村の女性グループの家を回り、改良かまどの作り方を教えて、飲料水の煮沸を徹底させる活動に取り組みました。「改良かまど」は、従来の石を三つ並べてその上に鍋を置く3点かまどよりも、まきの燃焼効率の良いかまどのことです。料理用のかまどと水の煮沸用のかまどの二つを作ることにより、飲料水を煮沸する意識を植え付けることが狙いです。これまでに四つの女性グループと、二つの小学校で普及を行いました。

 成果は微々たるものですが、そのコミュニティーの問題は何か、問題改善のために自分にできることは何かを常に考え、地域に密着できるボランティアだけにしかできない活動を行うことを日々心掛けています。

【荒井里美さん】
写真:荒井里美さんさん
 荒井里美(あらい・さとみ) 公務員を経て、2015年9月から青年海外協力隊としてウガンダへ派遣。県庁水事務所で、住民に対する安全な水源確保に取り組む。各務原市出身。31歳。

「ふるさとへの便り」一覧