ふるさとへの便り

中国

モバイル決済が普及
写真:モバイル決済の様子=中国

モバイル決済の様子=中国

 中国・上海での駐在生活が始まってから約1年半、現地で生活をしていると、中国の発展と変化は驚くほどの速さで進んでいることが実感でき、ある面では日本より先を進んでいるのではないかと感じることも多くあります。

 今回は、その一例として、中国で浸透するモバイル決済の状況を取り上げたいと思います。スマートフォンの普及が急速に進み、中国インターネットサービスの2大企業である「阿里巴巴(アリババ)」社と「騰訊控股(テンセント)」社それぞれが提供する「支付宝(アリペイ)」「微信支付(ウィーチャットペイメント)」といった電子決済サービス(第三者決済)の環境整備も大きく進んでいる中国では、インターネット上の買物はもちろん、飲食店やコンビニ、さらには露天商に至るまで、スマートフォンを利用した支払いが普通の光景となっています。

 今年6月に日本銀行が公表した調査レポートでは、スマートフォンを利用したモバイル決済の利用率が、日本では6・0%にとどまっているのに対して、中国では、都市部を対象にした調査結果というものの98・3%にも達しているとの数字が出ているほどです。

 また、このスマートフォンの電子決済を利用し、独自のサービスを展開する企業も誕生しています。スマートフォンのアプリ利用だけで、タクシーの予約から支払いまで行える「滴滴出行(ディディチューシン)」や好きな場所で乗り降りが可能、その利用から支払いまでの手続きをスマートフォンだけで行えるシェア自転車「摩拝単車(モバイク)」などの便利なサービスも拡大している状況となっています。

 もちろん、こういった電子決済サービスは便利な反面、個人情報の流出などの点について懸念する声がない訳ではありませんが、実際の生活においては、利便性の方が大きく上回っていることから、この流れが変わることはなさそうです。

 私自身、一応現金は常に持ち歩いているものの、スマートフォンで全てが完結するモバイル決済の便利さを知ってからは、スマートフォンを利用した支払い・サービスを利用するのが日常となっています。現金を全く使っていない日が何日も続いていることに気付くほどで、今の中国では、キャッシュレス社会が相当進んでいる状況がつくり出されています。

 こうした状況は、中国国内にとどまらず、海外へと広がる動きも出てきています。ニュースでも話題になったりしているので、ご存じの方も多いと思いますが、前出の電子決済サービスを提供する「阿里巴巴(アリババ)」、そして、電子決済を活用し独自のサービスを提供する「滴滴出行」や「摩拝単車」などは日本進出の展開を進めており、こういった動きは、日本におけるスマートフォンを使ったモバイル決済市場を大きく拡大させる可能性も出てきています。

 このように、現地で生活をしているとより強く意識させられるところですが、中国の動向が世界の市場や生活環境にも大きな影響を与える、そんな一面も有しているのが今の中国であり、今後もこうした最新の動きについては注目をしていく必要があると強く感じています。

【島田誠さん】
写真:島田誠さんさん
 島田誠(しまだ・まこと) 2016年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業進出・販路開拓等支援、観光等岐阜県PR、岐阜県人会開催など。美濃市出身。42歳。

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