ふるさとへの便り

ブータン

国産乳製品普及に力
写真:農家を対象にした乳製品製造の講習会=ブータン

農家を対象にした乳製品製造の講習会=ブータン

 「クズザンポーラ!(ブータンの公用語ゾンカ語でこんにちは)」。アジアの小国ブータンよりこの寄稿を書いています。ブータンへは国産の乳製品を発展させたいという思いで渡り、2年間の派遣期間のうち、早いもので4分の3が過ぎようとしています。

 インドと中国(チベット)に挟まれたブータンは、九州ほどの面積です。国土は標高差が非常に大きく、北は7000メートル級の山がそびえ、南は標高約100メートルと亜熱帯が広がっており、まさに崖っぷちのような場所に存在します。これらの国土は憲法によって厳格な森林管理を規定されており、ブータンは豊かな自然を保つことができています。

 ブータン人にとってダツイと呼ばれるチーズは料理に欠かせません。このダツイと唐辛子を、塩と油を加えて煮たエマダツイはブータンで最も一般的な料理です。これにお好みで肉やキノコ、イモなどを加えます。こってりと辛いエマダツイを山盛りのご飯とともに食べます。ミルクティーやバターティーはおもてなしの際や食前によく飲まれます。最近は、都市部以外では入手が困難だったヨーグルトが地方でも製造されるようになってきました。

 このように、ブータンでは乳製品の潜在的な需要がとても高いです。地方によって景色が違うように、訪問する場所によって乳牛の種類も異なります。北へ行けば寒さから身を守る毛に覆われたヤクからチーズを作り、南に行けばインドから来たという額の広いミタンから乳を搾ります。またブータン在来種のヌブランと交配させたものや、ヨーロッパが原産のホルスタインやジャージー、ブラウンスイスもいます。

 生乳は牛の品種によって成分が大きく異なります。日本でホルスタインの生乳しか扱ってこなかった私にとって戸惑う部分もありますが、非常に興味深く新しい発見にワクワクさせられます。私がブータンに貢献できること以上に、刺激をもらい学ばせてもらえることの方が多い日々です。

【中西友香さん】
写真:中西友香さんさん
 中西友香(なかにし・ゆか) 酪農・乳製品製造業を経て、2016年7月から青年海外協力隊としてブータンへ派遣。国立乳製品研究所で乳製品開発を行う。恵那市出身。29歳。

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