ふるさとへの便り

インドネシア

多様な宗教、言語存在
写真:クリスマスに彩られたモールを楽しむ人々=インドネシア、ジャカルタ市内

クリスマスに彩られたモールを楽しむ人々=インドネシア、ジャカルタ市内

 年間の平均気温が30度近いインドネシアでは、12月も真夏のような暑い日々が続きます。そのようなインドネシアでも、12月に入るとレストランやカフェではクリスマスソングが流れます。ショッピングモールには大きなクリスマスツリーが登場し、ショップのディスプレイはクリスマス仕様となり、街はクリスマスムードに包まれます。

 国民の約9割がイスラム教を信仰しているため、キリスト教の祝日であるクリスマスはあまり盛り上がらないと思われがちですが、日本と同じように「クリスマスの商業化」が進んでいます。キリスト教徒が各地にある教会で行われるミサに参加し、おごそかにクリスマスを過ごす一方、イスラム教徒をはじめとするその他の国民は、クリスマスをショッピングセールが行われるイベントと捉えて楽しむことが多いようです。

 インドネシアは世界で最も多くのイスラム教徒を抱える国ですが、宗教の自由が認められているため、キリスト教やヒンドゥー教、仏教、儒教を信仰している人々もいます。多様であるのは宗教だけではありません。1万を超える島々からなるインドネシアは日本の約5倍の国土を有し、東西の距離は米国とほぼ同じ約5000キロに及びます。

 人口は現在約2億6000万人と中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位を誇ります。多民族国家であり民族の数は300とも500とも言われ、インドネシア語という共通語はあるものの、地域ごとに異なる言語が存在しています。

 この多様な国民を結びつけるために、インドネシアには「多様性の中の統一」というスローガンがあります。一つの言語や宗教、文化、伝統を強要するのではなく、お互いの違いを理解し、それを基に新たな国家を創造していくという想いがこのスローガンに込められています。

 インドネシアで真夏のクリスマスを迎え、街を行き交う人々がそれぞれにクリスマスを楽しんでいる様子を眺めていると、「多様性の中の統一」こそが、この国の活力であり魅力なのだと感じます。

【野口重雄さん】
写真:野口重雄さんさん
 野口重雄(のぐち・しげお) バンク・メイバンク・インドネシア研修生。2002年大垣共立銀行入行。岐阜県や愛知県の営業店を経て17年5月からインドネシアのバンク・メイバンク・インドネシアのジャパンデスクで日系企業の海外進出支援などを担当。愛知県春日井市出身。

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