リオデジャネイロオリンピック
貫けニッポン魂 フェンシング・佐藤選手 ママ選手の希望に
2016年 8月 6日

 リオデジャネイロ五輪に県関係選手の一番手で登場するのが、フェンシング女子個人エペの佐藤希望選手(30)(大垣共立銀行)=旧姓・中野=。ロンドンに続く2大会連続となるが、この間に結婚し、母となり、目まぐるしく変化した環境の中、つかみ取った五輪。「夫、3歳になる息子、支えてくれる大勢の人たち…。もう自分一人の競技人生じゃない」。多くの応援を背に、夢舞台に立つ。

 2012年、ロンドン五輪では初戦の2回戦で敗退。1勝もできずに「もう一度、ここに立つ」との強い思いが残った。翌年、10歳年上の充さんと結婚。長男・匠ちゃんも誕生したが、ロンドンで感じた熱い思いだけは少しもぶれなかった。「復帰するからには、五輪でまず1勝してくれ」という充さんの一言も決め手になった。

 1年間の育児専念を経て、14年の秋、夫を富山県に残して上京、本格的に競技復帰の準備にかかった。朝早くから家事をこなし、匠ちゃんを練習拠点の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)内に開設された託児所に預けての厳しい練習。出産に伴う体力の急激な低下とも向き合わなくてはいけなかった。「前には疲れなかった通常の練習でもくたくたになり、家に帰ってきたら子どもの世話…。最初は続けることができるのかなと不安だった」

 だが苦しい時、子どもの笑顔が最高のスタミナ源になった。今春、五輪出場を決めた時も、匠ちゃんに祝ってもらった。「おめでとうは、まだ全部誕生日だと思っているようで、ハッピーバースデーを歌ってくれた」と思い出しながら、白い歯をこぼす。

 戦うのは家族のためだけではない。“ママさんアスリート”は今大会の日本代表女子選手164人を見ても、バレーボールの荒木絵里香選手(32)ら数える程度しかいない。「将来のママさんアスリートのためにも、結果を残さないといけない」と使命感も口にする。

 1回戦(日本時間6日午後9時開始)の対戦相手も決まった。日本に残る匠ちゃんを思いながら「『うちのママは、かっこいい』と思ってもらえるような戦いをする。それができれば、おのずと好結果は付いてくる」と。帰国後、愛息が再びハッピーバースデーを歌ってくれる姿を想像しながら、一心不乱に剣を突き出す。

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