リオデジャネイロオリンピック
佐藤、母は強し フェンシング8位「かっこよく」
2016年 8月 8日
写真:佐藤、母は強し フェンシング8位「かっこよく」

フェンシング女子エペ個人でウクライナのヤナ・シェミャキナ選手を破って8強入りを決め、喜ぶ佐藤希望選手=リオデジャネイロ(共同)

 母は強し。格上選手を倒し、夢舞台のピストで何度もガッツポーズした。6日(日本時間7日未明)に行われたフェンシング女子エペ個人で、同種目日本勢最高成績の8位に入った佐藤希望選手(30)=大垣共立銀行=。「家族はもちろん、世話になった人々を思うと負けられない。特に子どもにはかっこいい姿を見せないと」。夫や息子との絆が、前回ロンドンで初戦敗退したママさんアスリートを大躍進させた。

 妻、母親として舞い戻った競技生活。富山県に夫の充さんを残し、遠征中は福井県の実家に長男の匠ちゃん(3)を預け、後ろ髪を引かれる思いで練習に励んだ。「再出発に苦労はあったけど、子どもはもちろん夫の顔が浮かび、勇気づけられた」

 2人は、佐藤選手の古里である福井県越前市でのパブリックビューイングで声援を送った。佐藤選手は「日本時間は夜遅かったので、息子は2回戦まで見て寝たみたい。勝つ姿しか見てないんですよ」と笑う。充さんとは試合ごとに連絡を取り合った。「2勝した時点で『泣きそう』ともらしていた」。寄り添ってくれる夫との会話が勝ち上がる原動力になった。

 王国岐阜のフェンシング関係者も喜びに沸いた。2大会連続五輪出場した新井祐子朝日大総監督(42)は「日本の女子エペの歴史を塗り替えた快挙。おとなしかったが、母になって強さを感じていた。それが五輪で発揮された」とたたえた。「県フェンシングにとっても東京五輪につながる大きな成果」と興奮気味に意義を語る。

 心の底には「メダルに手が届かなかった」と悔しさはある。一方で、夫との五輪で1勝という約束を果たしたことで「日本には笑顔で帰りたい。しばらくはママ業をしっかりやりたい」と。アスリートの顔から、母親の顔に戻っていた。

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