写真:ミュージアム中仙道・美濃歌舞伎博物館相生座館長 小栗幸江さん

地歌舞伎の魅力を語る小栗幸江さん=岐阜市長良福光、岐阜都ホテル

◆テーマ「地歌舞伎・大歌舞伎の魅力」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会4月合同例会は20日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。瑞浪市にあるミュージアム中仙道・美濃歌舞伎博物館相生座館長の小栗幸江さん(68)=同市日吉町=が「地歌舞伎・大歌舞伎の魅力」と題して講演。「文化を守るのは国や県や市ではなく民間。芝居小屋に地歌舞伎を見に行き、面白がってこそ根付く」と持論を語った。

 地歌舞伎衣装の保存や活用を研究して44年となる小栗さん。幼児期に歌舞伎座(東京)で見た舞台が記憶に焼き付いていることや、芝居好きの父親から「学校は休んでも遅れは取り戻せる」と機会をみては舞台観賞に連れて行かれたことを回顧。江戸期から続く衣装屋から地歌舞伎衣装を引き取り、古い芝居小屋を合体させて相生座を再建した歩みも語った。

 全国に268ある地歌舞伎保存団体のうち、県内には1割超の29団体があると紹介。「岐阜は芝居小屋や舞台も多く残る地歌舞伎のメッカ。江戸期の匂いのする地歌舞伎が守られている」とし、衣装や所作、台詞からヒントを得るため大歌舞伎の役者も訪れるとした。

 かつて衣装方は、生業を守るため技術を教えることを拒んだというが、「私は過去と今をつなぐ橋。踏んづけられても良いので伝えたい」と伝承に掛ける思いを吐露。15年前から子供歌舞伎教室を主宰し、次世代の育成に努めていることにも強調した。

 歌舞伎を研究する米ハワイ大から大量に保存された衣装やかつらのメンテナンス指導を依頼されたといい、「海外に向けて地歌舞伎の存在をさらにアピールしていきたい」と意気込んだ。