写真:京都大学大学院教授・岡田知弘氏

「地域再投資力を量的、質的に高めるべき」と語る岡田知弘氏=多治見市白山町、オースタット国際ホテル多治見

◆テーマ「1人ひとりが輝く地域再生〜地方創生 地方消滅論を超えて」

 岐阜新聞・岐阜放送東濃懇談会4月例会は21日、多治見市白山町のオースタット国際ホテル多治見で開かれた。京都大大学院教授の岡田知弘氏が「1人ひとりが輝く地域再生〜地方創生 地方消滅論を超えて」と題して講演。全国の地域づくりの事例を示し、「地域の発展には地域再投資力を量的、質的に高めることが大切。都市と農村が共存できる関係を目指し、楽しく地域づくりをしてほしい」と語った。

 冒頭「地域が存在して国や世界がある。逆はない。地域経済をつくり、維持する主体である中小企業や農家、NPO、自治体の経済力をつけることこそ重要」と前置きした。

 消滅可能性都市を公表した日本創成会議の増田レポートを「リーマン・ショックや東日本大震災後の“田園回帰”の動きがシミュレーションに入っていない」と指摘。「公表後に地方創生の流れができ政治性を感じた。人口減少はグローバル化による若年層の非正規雇用が問題だ」と批判した。さらに「30万人都市への再編、道州制と言うが反対の方向に走っている」と政府の地方創生論にも言及した。

 地域再生については長野県栄村や大分県由布市湯布院の例を示し、「地域の個性に着目し、都市と交流しながら内部循環型経済を目指して一人一人が輝く地域づくりをしている」と紹介した。

 地域活性化について「企業誘致に成功しても利益は本社に吸い上げられ、地域内に再投資されない。雇用効果の低いハイテク工業を立地しても住民が住み続けなければ活性化とはいえない」と指摘。「地域経済の持続的発展は中小企業や農家、NPOと自治体の役割。地域の投資主体は自治体で行財政、法的権限をフルに活用し、独自の地域づくりをすべき」と述べ、地域の担い手である住民、企業経営者が自治体の在り方を決定できる自治組織が重要とした。