写真:日本福祉大生涯学習センター名誉センター長・杉山邦博氏

野球、相撲などの名勝負や名場面を振り返る杉山邦博氏=岐阜市長良福光、岐阜都ホテル

◆テーマ「大相撲、名勝負、名場面に学ぶ」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会6月岐阜例会は16日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。日本福祉大生涯学習センターの名誉センター長杉山邦博氏(85)=横浜市=が「大相撲、名勝負、名場面に学ぶ」と題して講演。偉業の達成を誇らず努力を積み重ねた数々のアスリートを引き合いに「謙虚に自分と向き合うことが成長につながる」と語った。

 元NHKスポーツアナウンサーの杉山氏は、放送席から見守ったプロ野球の王貞治さんが通算本塁打の世界記録を達成した場面の実況を回顧。「資料に目を落とすより、表情を瞬きまで見るのが大事。あらゆる情報は現場にある」との信念を披露した。

 王さんのほか、同日にメジャー記録の安打数を日米通算で上回ったイチロー選手や、シドニー五輪金メダリスト高橋尚子さんも栄冠を「通過点」と受けとめていたと紹介。「人を意識し過ぎて押しのけてまで勝とうとすると勝てない。負けないぞと思えば仲間が増え、周りが支えてくれる」と心構えを説いた。

 大相撲報道に半世紀以上携わってきた杉山氏。元横綱双葉山が病み上がりの力士に連勝を69で止められた際、「未だ木鶏(少しも動じない最強の闘鶏)たり得ず」と省みたエピソードを引用。「勝ってガッツポーズするのは論外。敗者の胸中を察するべきだ。日本人が大事にしてきた『抑制の美』が受け継がれているからこそ相撲は愛される」と述べた。

 「勝負師は孤独。横綱は孤独でなければいけない」との言葉を残した元横綱の初代若乃花が稽古で胸を貸して柏戸、大鵬ら続く世代を育成したことも紹介し、「上に立つ者は後継者を育てる責任がある。経営者にも共通することだ」と述べた。