写真:明治大大学院グローバル・ビジネス研究科教授 野田稔氏

「シニアの活躍には本人と社会が年齢の枠をいかに外せるかが鍵」と語る野田稔氏=岐阜市長良福光、岐阜都ホテル

◆テーマ「一億総活躍社会を乗り切る秘策」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の9月合同例会は20日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。明治大大学院グローバル・ビジネス研究科教授の野田稔氏が「一億総活躍社会を乗り切る秘策」と題して講演。人口減少が進む中、シニア層の活躍が社会の活力を生むとし、「キーワードは『枠外し』。自分はこれしかできないと思い込まず、転職などで幅広い可能性を追求してほしい」と述べた。

 1970年代の石油危機以降、日本企業は商品開発にコストをかけても価格転嫁できるほどの差別化が図れず、利益に結び付かなかったと指摘。「イノベーション(技術革新)が起きにくい病だ。会社の成長を支えてきた主力事業に過剰な投資や優秀な人材の投入が行われ、伸び盛りの事業に十分に回せていない」と分析した。

 日本の1人当たり国内総生産(GDP)が世界20位(2010年)に下がる中、「従来のビジネスモデルの賞味期限は過ぎた。新たな産業構造を持たなくては」と説いた。

 ラクダの背に冷蔵庫と発電用の太陽光パネルを積んで砂漠で確実にワクチンを運ぶ「ラクダ冷蔵庫」が評価されていることに触れ、「イノベーションはエンジニアや理系でなくても起こせる。全社員が社会に目を向け、問題意識を持つ必要がある。新しいチャレンジを怖がらない社風をつくって」と助言した。

 「イノベーションには気の若い、経験豊かなシニア層の支えが重要」とも。「デンマークやオランダは労働流動性と雇用保障を組み合わせた政策で上位のGDPを実現している。日本も1社より社会による終身雇用を目指すべき」と強調した。