写真:東洋大理事・大学院経済学研究科教授 中北徹氏

「経済のグローバル化が進み、日本はこれまで避けてきた問題に対峙(たいじ)しなければならない」と語る中北徹氏=多治見市白山町、オースタット国際ホテル多治見

◆テーマ「グローバル経済の中の日本」

 岐阜新聞・岐阜放送東濃懇談会9月例会は26日、多治見市白山町のオースタット国際ホテル多治見で開かれ、東洋大理事・大学院経済学研究科教授の中北徹氏が「グローバル経済の中の日本」と題して講演。国際経済の観点から「企業の海外進出が加速する日本では、税制と外国人労働問題で本格的な判断が迫られている」と語った。

 中北氏は英国の欧州連合(EU)離脱決定による円高を紹介しながら、主要通貨の円はドルやユーロとともにリアルタイムで市場原理で動き、日本経済は欧州の出来事にも無関係でいられないと指摘。

 日本企業は海外生産が輸出を上回っており、「アベノミクスは金融緩和による円安で輸出を増やす狙いもあったが、輸出は伸びていない。海外子会社は利益を本社に円建てで送金しており、円安になると業績や株価を押し上げる。“帳簿上の景気回復”なので実体経済にいまひとつ回復感が伴わない」と話した。

 また、日本企業の内部留保は計200兆〜300兆円あるといわれるが、法人税は年間計10兆〜30兆円程度。「安倍政権は法人税率を下げており、負担が増えている消費税や所得税との格差は一層際立っている。一番税金を担える部分の法人税に切り込まないのは問題」とした。

 一方で、自動車整備やクリーニング、介護など海外に進出できない産業に対しては「生活や文化を維持するために労働力を外国人に頼らざるを得ないのではないか。グローバリゼーションも終盤に差し掛かり、日本は税制を含めこれまで避けてきた問題に決着をつけなくてはいけない段階に来ている」と述べた。