写真:共同通信社客員論説委員・青山学院大教授 会田弘継氏

「トランプ候補が負けてもトランプ現象は終わらない」と話す会田弘継氏=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

◆テーマ「米国大統領選の行方」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の10月岐阜例会は17日、岐阜市長良の岐阜グランドホテルで開かれた。共同通信社客員論説委員で青山学院大教授の会田弘継氏が「米国大統領選の行方」をテーマに講演。孤立主義と保護主義が表出していることに触れ「下層中産階級によるエリート社会への反乱が起きている。トランプ候補が負けても引き起こした現象は終わらない」と分析した。

 会田氏は「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ候補の共和党の指名受諾演説について「白人の下層中産階級の保守的な価値観を体現しており、白人票に乗って当選したいもくろみ」と指摘した。

 トランプ候補は指名争いで失業リスクの高い高卒以下の学歴の人からの支持で他候補に差を付けたと説明。中年の白人の中毒や自殺などによる死亡が増えているとし、「富の集中が進む中、金持ちや大企業が優遇されているとして、連邦政府に怒りや不満を持つ人が多い」と現状を語った。

 年金・医療保険の削減反対やインフラ投資重視、TPP反対は「小さな政府」や自由貿易を唱えた共和党の伝統路線と異なり、経済政策は民主党のクリントン候補と似通った部分があるとも。クリントン候補が「ストロンガー・トゥギャザー(結束は力)」と説いたのを例に「民主党は大卒エリートやヒスパニック、黒人も取り込む多様な価値観の党になっている」と違いも話した。

 トランプ候補が日本政府が米軍の駐留経費の負担を増額しなければ撤収も辞さないとの姿勢を示していることに関しては、「日本から米軍がいなくなることはあり得ない。安全保障は長年の積み重ねがあり、これまでの方針で良い」と述べた。