写真:共同通信社経済部記者・橋本卓典氏

地域金融機関による企業支援の大切さを語る橋本卓典氏=岐阜市長良福光、岐阜都ホテル

◆テーマ 「地域金融はどうなるのか」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の11月合同例会は30日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。共同通信社経済部記者の橋本卓典氏が「地域金融はどうなるのか」と題して講演。金融庁の新たな検査監督体制に関し「利益の規模より質が問われる。顧客ニーズを先読みし、最適な解決策を提案するのが本当の銀行」と述べ、人口減少や低金利が続く中、顧客に寄り添うのは時代の要請だと強調した。

 橋本氏は「金融庁はこの20年間、不良債権の話しかしてこなかったが、金融排除の世界をつくり長期間続けた失敗を認め、人口減少など本当のリスクに合わせた検査や監督行政へと変わってきた」と分析し、同庁が創業や事業再生に関与した件数など地方銀行の中小企業支援の取り組みを評価する新指標を導入したことを説明した。

 「銀行の貸出金は顧客の負債。増やすには顧客のもとに飛び込んで資産や事業を伸ばすしかない」と企業訪問を重視する金融庁幹部の話を紹介。「プレーヤー(地銀)は審判(金融庁)ではなく、観客(顧客)の方を向いて魅力あるプレーをしなければならない」と話した。

 「銀行は担保のある正常先でクレープのような薄皮一枚のところだけを顧客と捉え、外側に広大な金融排除が広がっている」と指摘。銀行が見放したパン屋の経営が商品数を減らしただけでV字回復した例や、商品販売を支援して手数料収入を得たりスピード融資で金利が高くても利用されたりしている第二地銀や信用組合の取り組みを挙げ、「従来の排除先を知恵を絞って包摂する持続可能なビジネスモデルを描けないと、金融機関は成長できない」と断言した。