写真:三菱総研チーフエコノミスト・武田洋子氏

トランプ政権が世界経済に与える影響について語る武田洋子氏=岐阜市長良福光、岐阜都ホテル

◆テーマ「内外経済の展望〜トランプ政権の政策運営と世界経済に与える影響」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の4月合同例会は18日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。三菱総合研究所政策・経済研究センターの副センター長でチーフエコノミストの武田洋子氏が「内外経済の展望〜トランプ政権の政策運営と世界経済に与える影響」と題して講演。「一番の気掛かりは保護主義政策。米国の消費者や世界経済への影響、世界的な保護主義化の可能性に米国が気付くかが注目される」と語った。

 トランプ政権の経済政策について「思ったようには進んでいない」と現状を分析。「上級閣僚やスタッフの任命が非常に遅れ、今でもオバマ政権1期目の半分程度」と不十分な体制を理由に挙げた。

 米国がメキシコからの輸入品に関税をかけた場合、打撃を受けるのはメキシコ企業より価格に転嫁される消費者で、グローバルに活動する米国企業の収益にもマイナスと説明。「他国との報復措置合戦になる恐れもある。悪影響はブーメランのように戻る」と予測した。

 トランプ氏が掲げた所得税減税やインフラ投資については「一時的に成長率を押し上げるが、財源確保に具体策がない」と指摘。「財政赤字拡大が市場に心配され、長期金利を上昇させるリスクがある。新興国は資金が流出し、より深刻な影響を受ける」と見通した。

 同日始まった日米両政府の経済対話に注目。米国が2国間の貿易交渉を目指す背景について「米国の対日貿易赤字は対中国の5分の1程度なのにこだわるのは、赤字の中心の輸送用機械が国内に生産基盤の十分ある産業だから」と分析。日本企業の米国への直接投資はG20中トップで、日系企業の米国での雇用者数も全産業で世界2位、製造業に限れば首位と紹介。「日本の貢献を政権中枢に伝えることが極めて需要」と強調した。