消化器内科医 加藤則廣

 子宮がんや前立腺がんなどで放射線治療を受けた患者さんの中には、放射線で直腸粘膜に障害を生じて、放射線性直腸炎を発症している方もいます。今回は放射線性直腸炎を取り上げます。

 放射線性直腸炎は、子宮がんや前立腺がんなどの放射線治療を受ける際に、放射線の通過経路に直腸があるために、直腸粘膜が放射線によって障害されて出現します。放射線性直腸炎には早期障害と晩期障害があります。

 早期障害は治療開始の1〜2週間後から出現します。主な症状は排便の回数が多いことと下痢で、時に軽度の下血もみられますが、直腸の内視鏡所見はほとんど正常範囲内です。こうした症状は、一過性で治療終了後の2〜3週間で消失するようです。早期障害は、放射線治療を受けた患者さんの約70%にみられます。(続きを読む...)