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前回、足関節のねんざはスポーツによるけがで最も頻度が高いとふれましたが、手術にまで至るケースは非常に少ないけがです。
一方、ひざ関節のけがは治りにくく、スポーツ活動に支障をきたし、手術が必要となることもあります。ひざ関節は骨、靭帯(じんたい)、半月板、筋肉などによって非常に複雑な構造になっています。そのため痛みの原因を特定しにくく、ねんざというあいまいな診断で湿布処置のみで済まされたり、漠然と靱帯損傷、半月板損傷という診断でギプス固定を受けることがよく見受けられます。
しかし、靭帯損傷でも前十字靱帯損傷であれば、ギプス固定では治らず、スポーツ復帰を希望するケースでは手術が必要となります。適切に治療を受ければ、フィギュアスケートの高橋大輔選手のようにオリンピックでメダルを獲得するまでに回復することもできます。前十字靱帯が切れたまま放置していれば、スポーツ種目によっては致命傷となり、将来後遺症が残ることもあります。
従って、ひざ関節を痛めた時には初期治療が特に大切です。適切な初期治療を受けるには当然、正確な診断が必要となります。レントゲン検査に加えて、場合によってはMRI(磁気共鳴画像装置)や内視鏡(関節鏡)検査が行われます。特に関節鏡は検査のみならず、半月板切除や縫合、靭帯の再建(新しく丈夫な靭帯を作ること)など、特殊な器具を用いての手術も可能です。
関節鏡手術は小さな切開で行われ、関節に対して負担も少ないため、入院期間も短くて済みます。以前は、体にメスを入れることをスポーツ選手は嫌がっていましたが、最近は早く確実に治すという意味から、積極的に関節鏡手術を受けるようになってきています。ただし、スポーツ復帰には手術のみでなく、手術後のリハビリテーションも大変重要となります。
ひざ関節に血液や水がたまる場合、ひざ関節がぐらぐらして不安定な場合、ひざ関節にひっかかり感があり痛みを伴う場合などは、専門医のもとで精密検査を受けられることをお勧めします。
(やまが整形外科院長(岐阜市真砂町) 整形外科医・山賀寛氏 ) |