岐阜大学皮膚科医 水谷陽子

 2月に入りスギ花粉が飛散する季節になりました。花粉症の人で、フルーツや野菜、ナッツなどを食べた後に口がかゆくなったり、のどがイガイガしたことはありませんか? 今回は食物アレルギーの特殊型である、口腔(こうくう)アレルギー症候群についてお話しします。

 口腔アレルギー症候群は特定の食物を食べた直後に、唇やのどにかゆみやイガイガ感、腫れが生じ、重篤な場合は全身にじんましんやぜんそく症状、さらにはアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるアレルギーの病気です。

 患者さんの多くは花粉症を持っており、花粉・食物アレルギー症候群とも呼ばれています。花粉症の原因アレルゲンに類似した物質が食物の中に含まれているために、その食物を食べた後に口の粘膜に限局してアレルギー症状が起こります。特にシラカンバの花粉症の人の20%、スギ花粉症の人の7〜17%で、口腔アレルギー症候群を合併していると言われています。

 花粉の種類によりアレルギーを起こす食物も異なります。スギやヒノキはトマトと、ハンノキやシラカンバはリンゴ、桃、イチゴ、キウイ、ヘーゼルナッツなど、イネ科の植物はトマト、スイカ、メロン、オレンジなどと関連があると言われています。

 花粉症以外にゴム手袋のアレルギー(ラテックスアレルギー)がある場合もアボカド、栗、バナナ、キウイなどで口腔アレルギー症候群を発症することがあるので、ご注意ください。

 診断は、今までの経過と血液検査(特異的IgE抗体価)を参考に行います。補助診断として皮膚テストを行うこともあります。

 治療の基本は、原因となる食物を除去することです。これらのアレルゲンは熱に弱いため、加熱すれば食べられる場合が多いですが十分に注意してください。症状が出たときは、抗アレルギー薬やステロイドの内服を行います。原因となる花粉が飛散する時期は口腔の症状も出やすいので、花粉対策を行うことも大切です。

 症状が頻繁に出る場合は、しばらくの間定期的に抗アレルギー薬を内服することをお勧めします。症状が悪化する場合はすぐに医療機関を受診してください。

 フルーツや野菜などを食べて口の中に違和感を感じる場合は、ぜひ医療機関でご相談ください。

(岐阜大医学部付属病院皮膚科臨床講師)