写真:新型除細動器の効果を説明する森島逸郎部長=大垣市南頬町、市民病院
新型除細動器の効果を説明する森島逸郎部長=大垣市南頬町、市民病院

 大垣市民病院(同市南頬町)は7日、心臓突然死につながる致死性不整脈を防ぐ除細動器の体内植え込み手術で、皮下でとどめる新型機器(S−ICD)を植え込む手術を行ったと発表した。2月から国内での使用が認められており、県内では初めて。

 手術は、心臓のポンプ機能が正常に動かなくなる心室細動などの致死性不整脈を過去に起こした人や、将来発症の恐れがある人を対象に、予防的に行われる。体内に植え込んだ機器が心拍数を観測し、心臓の動きが速くなるなどの異常を確認すると、自動的に電気ショックを与えて正常に戻す。

 従来型(ICD)は電気ショックを与えるリード線を鎖骨下の静脈を通して心臓の血管内に入れるため、手術時のリスクなど患者への負担が大きかった。新型は、機器を左胸脇の皮下1センチの筋膜にくくり付けて固定。長さ45センチ、太さ4ミリのリード線を胸骨部の皮下5ミリの位置でとどめるため、心臓に触れない。安全性が高まり、手術時間も縮まる効果があるという。ただ、従来型にあるペースメーカーの機能がないため、患者の症状によっては使えない場合がある。

 同院によると、手術は6日に実施。患者は県内の60代男性で、過去に心室細動を発症したため、予防として実施した。すでに歩ける状態で、1週間ほどの経過入院を経て退院する予定という。

 手術に挑んだ同院の森島逸郎循環器内科部長(49)は「心臓に触れないで心臓を治療する経験は初めて。思ったよりもスムーズに行えた。今後、広がっていくのでは」と振り返った。