
日本では小学校から大学まで「入学は4月、卒業は3月」という学校がほとんどで、桜の花と新しいランドセルの組み合わせは春の風物詩の一つです。でも欧米(おうべい)の学校は9月に入学するのが一般的(いっぱんてき)。日本から外国に留学するときや、海外から留学生を受け入れるときには、半年の空白ができてしまいます。
日本の大学も9月入学にすれば、そんなことはなくなります。そこで文部科学省は制度を改正して、各大学が入学時期を4月以外にできるようにすることを決めました。
実はいまの法律でも「学年」途中(とちゅう)での入学や卒業は可能で、一部の大学は以前から9月に入学できるようにしています。政府のさまざまな会議も20年以上前から、くり返し「大学の9月入学をもっと広めよう」と提案してきました。
しかし、会社も学校も4月に新たなスタートを切るという慣習が、日本社会に深く根付いているため、なかなか広がりません。
大学でも2005年度に「4月以外」の入学制度を取り入れていた153校のうち、実際に制度を利用した入学生がいたのは約4割の63校だけ。いったん制度を設けても、希望者が少ないため中止した大学もあります。
そこで、文科省は「『学校』は4月1日に始まり翌年3月31日に終わる」という原則を廃止し、学年の始まりと終わりを各大学が自由に決められるようにする方針です。
ただ、高校の卒業は3月。新入社員が会社で働き始めるのは4月。それが変わらないのに、大学だけがタイミングをずらせば、今度は高校から大学へ入る前と、大学から会社に入る前に空白ができてしまいます。
この空白をなくすうまいやり方は見つかっていません。そのため「制度が変わっても9月入学を導入する大学が急に増えることはない」というのが教育関係者の共通した見方です。