校内に開設された期日前投票所で1票を投じる高校生。投票率アップへ自治体の地道な取り組みが続けられている=下呂市萩原町、益田清風高校

 「自分の住むまちの投票率が低いのは悲しい。どうしたら上がるのか」。無料通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる「岐阜新聞 あなた発!トクダネ取材班」(あなトク)に登録者から、そんな嘆きの声が寄せられた。衆院選の投開票日(31日)が近づく中、市町村の選挙管理委員会に話を聞くと、担当者もまた頭を悩ませていた。コロナ禍初の総選挙、投票率は上がるのか。

 メッセージを寄せたのは本巣市の男性会社員(56)。9月にあった同市議選の投票率が52%ほどだったことに、「半分ぐらいが棄権なのか」とがくぜんとした。「今回の衆院選では投開票日の啓発など、自治体は何か策を考えているのだろうか」

 本巣市の前回衆院選(2017年)の投票率は55・38%。県全体の投票率も56・55%と同市がとりわけ低かったわけではないが、市選管の担当者に話を聞くと「前回以上の投票率が目標だが、難しい面もある」。

 要因はコロナ禍だ。例年は大型ショッピングセンター「モレラ岐阜」(同市三橋)で啓発イベントを企画してきたが今年は感染対策で会場を使用できず、従来型のPRができない状況という。担当者は「転居してきた住民の多い市南部の投票率をいかに上げるかが課題だが、代わる手段が見つからない」と頭を抱える。

 「10、20代の有権者へのアピールが鍵になる」と話すのは、選挙人名簿の登録者数が同市と同規模の下呂市の選管担当者。前回衆院選の投票率は71・57%。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた16年から、選挙のたびに期日前投票所を高校に開設し、1票を投じる機会を提供。今回も益田清風高校(同市)の投票所で3年生ら54人が投票した。

 一方、有権者からは「投票率は啓発うんぬんではない」とも。前回衆院選の投票率が全42市町村でトップの86・8%だった大野郡白川村で生まれ育った男性(75)は「親からずっと選挙を大切にするよう教えられてきた。選挙に行くのは当たり前に染み付いている」と投票へ行く理由を語る。

 村では村選管が投票日に全世帯設置の防災無線で中間投票率を地区別に放送する「投票率速報」を行うなどしており、他の選挙でも県内1位の座を揺るぎないものにしている。公示後の村民同士のあいさつは「投票行ったか?」だ。男性は「投票に行かないと村にはいられない」と笑う。

 愛知学院大総合政策学部の森正教授(政治学)は、「最も関心の高い新型コロナ対策や経済政策で各党が明確な差を打ち出せておらず、投票率はより厳しい数字になる可能性がある」とみる。「投票の義務感を高めるのが近道になる。そのためにも、地道な啓発活動が欠かせない」と語った。

   ◇

 岐阜新聞は、暮らしの疑問や地域の困り事から行政・企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指す「あなた発!トクダネ取材班」を創設しました。あなたの知りたいこと、困っていることについて、ご要望や情報をお寄せください。LINEの友だち登録で取材班と直接やりとりもできます。