-昨年を振り返って。

 当社の本業は解体工事業ですが、8年前に代表取締役に就任して以降、経営の安定化のために他業種への参入に力を入れてきました。不動産と福祉関係は軌道に乗ったので、新たにチャレンジできることを探し、農業分野に目を付けました。何を栽培するかという点で悩みましたが、南国の果物の種を凍らせることで、耐寒性を備えさせる凍結解凍覚醒法という技術があると知り、高級バナナづくりに決めました。2020年7月のことです。そして種を扱っている岡山県の企業へ単身、3カ月間の研修へ行き、その間に山県市内の休耕地を見つけ、ビニールハウスを設置したのち、昨年3月には苗240株を植えることができました。そろそろ収穫が本格化する頃です。

 -どんなバナナになりそうですか。

 香りと糖度が高く、ねっとりした食感が楽しめるグロスミッシェル種という品種を育てています。無農薬栽培をしている上、収穫後も洗浄剤や殺菌剤は使用しませんので、皮まで食べられます。また、海外産のものとは違い、木で完熟させてから収穫できることも特長です。小売店で販売する以外にもふるさと納税の返礼品にすることが決まっています。販売価格は1本1000円程度を想定しています。

 -今年の目標は。

 農地を貸したいという方はいるので事業拡大を図りたいです。ビニールハウスを建てるための土の造成など、異業種に参入したとは言え、本業で培った技術を生かしてできることも多いです。また、営業ノウハウもありますので営業と販売、そしてB級品や余ったものを使った加工品の製造、販売の全てを担う6次産業化に向けた準備も整いつつあります。本業だけに頼らない経営多角化でリスク分散を図れ、雇用の安定、創出にもつながります。夢は大きく持っています。よい形にしていきたいです。